【MCS南部杯/3連単36点】調教で“併走遅れ”レモンポップの評価は 「一発逆転」狙うなら人気盲点のJRA所属馬

レモンポップ/2023年フェブラリーS(C)Toshihiko Yanagi
レモンポップ/2023年フェブラリーS(C)Toshihiko Yanagi

■荒れる南部杯、人気薄のJRA勢が妙味

先に述べたように、1番人気が複勝率90%、2番人気も同70%と上位人気の信頼度が高い一方、過去10年の3連単平均配当は3万3388円と、ヒモ荒れで好配当が起きやすいのが南部杯の特徴。レモンポップが逃げて地力を発揮する展開になれば、好位追走のペプチドナイルはGI馬として勝ちに行く競馬をすると思われるが、追いかけて逆に終い甘くなりそうな予感も漂う。

ミックファイアも同様に、先団につければ追いかけて失速、あるいは後方から進めれば速い流れについていけず終いジリジリ……という展開が予想され、上位人気ほどの信頼度はいまひとつ。それぞれバッサリ切ってしまい、死んだふりの下位人気馬の台頭に期待を込めて、好配当を狙ってみる。

まずは昨年の当レース4着のタガノビューティー。全7勝中6勝を左回りで制している典型的なサウスポーで、重賞未勝利と勝ち味に遅い同馬だが、常に後方からレースを進めて上がり3Fはほぼ1~3位のタイムで差し込んでくる。昨年もレモンポップに次ぐ2位の上がりタイムをマークしており、展開次第では豪快に突き抜けてもおかしくないタイプ。今回もレモンポップ云々ではなく、自分の競馬に徹して差し込んでくるレースをすればひと泡吹かせる場面は作れるかもしれない。

そのほかのJRA勢は、ダイシンピスケスキタノリューオーキタノヴィジョンと重賞実績も乏しくやや小粒な印象。だが、JRA勢に限ると、6番人気以下で複勝率が23.8%と人気薄ほど台頭してくるのが南部杯の特徴だ。実績不足だからといって安易に切り捨てるのではなく、上位人気勢がやり合って着順を落とした際の漁夫の利で2・3着、というシーンもあり得ると考え、馬券の相手には加えておきたい。

また、兵庫のアラジンバローズは前走のサマーチャンピオンで重賞初制覇を果たして勢いに乗っている。JRA在籍時もオープン特別で勝ち負けできる力を見せており、前記JRA勢3頭と比べてもそん色ない。マイル前後は守備範囲で、盛岡の馬場も経験済みな点はプラス材料。こちらも一発あっておかしくないので相手に入れておきたい。

馬券は3連単のフォーメーションで。レモンポップは連は外さないとみて1,2着のみに配置し、一発逆転を期待してタガノビューティーも1着欄に。それ以外の馬は2~3着に配置して勝負する。万が一、レモンポップが4着以下に沈んだら大爆発だ。

◎(1)レモンポップ
◯(4)タガノビューティー
▲(10)ダイシンピスケス
△(6)キタノリューオー
△(11)キタノヴィジョン
△(8)アラジンバローズ

3連単フォーメーション(36点)
1着:1、4
2着:1、4、10、6、11、8
3着:4、10、6、11、8

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。