卓球の「WTTチャンピオンズ重慶2025」が行われ、熱戦が繰り広げられている。日本は男女4選手がベスト8に入り、張本智和(智和企画)がベスト4に進出するなど、各選手が存在感を見せた。
そんななか、15日に世界ランキング1位の孫穎莎(中国)相手に奮闘したのが同8位の大藤沙月(ミキハウス)。昨年後半にトップ選手への階段を上った20歳が2025年も輝きを見せている。
◆【速報/動画あり】大藤沙月が世界1位の孫穎莎に挑んだ真っ向勝負 2度のデュースと大奮闘も1-3で敗れ“女王超え”ならず【WTTチャンピオンズ重慶】
■カギを握った第2Gでの攻防
大藤は今大会、1回戦でスリージャ・アクラ(インド)、2回戦で金娜英(韓国)を下してベスト8に進出。第1シードとして順当に勝ち進んだ孫穎莎とのマッチアップが実現した。
準々決勝の戦いで先に流れを掴んだのは大藤で、第1ゲームの4-6ビハインドから圧巻の7連続ポイント。冴えを見せたサービスに加えて、両ハンドを躊躇なく振り切るシーンが見られるなど、11-6で先手を取った。
カギを握ったのが第2ゲームの攻防で、立ち上がりのビハインドを追いつき2度のゲームポイントを奪ったが、世界女王の粘りにあい12-14で落とす。第3ゲームも接戦に持ち込んだが、12-14で王手をかけられると、そのまま第4ゲームも失い奮闘したものの女王超えはならなかった。
大藤と孫穎莎の戦いには中国メディア『捜狐』も言及しており、「早田ひな、張本美和、伊藤美誠に比べると、大藤沙月は孫穎莎にとってあまり馴染みのない選手だ」と2018年、19年にそれぞれ対戦して以来の顔合わせだったとしつつ、「6年後に再会した時にもう大藤は子どもではなかった」と20歳を迎えた今の選手としての完成度を評価している。
孫穎莎は試合後に大藤に対して、「彼女の試合は以前に見たことがある。彼女はこの2年間で急速に進歩したが、試合を見ているのと実際にプレーするのは違う感覚があった」と戦ってみての感想を述べ、「第2ゲームから第4ゲームにかけてはサービスから勝つ可能性が高まって、試合全体をコントロールできた」と逆転劇について振り返っている。
大藤は今回日本女子では早田ひな(日本生命)、張本美和(木下グループ)と並んでベスト8に入った。5月には3種目での出場を決めている世界卓球個人戦を控えるなか、世界女王相手に戦えることを証明した。
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