4月に開催された富士フィルム・スタジオアリス女子オープンで通算2勝目をあげたウー・チャイェン。優勝した翌週のKKT杯バンテリンレディスは予選落ちだったものの、その後は、ドコモビジネスレディスが15位タイ、Sky RKBレディスが2位、そして先週のブリヂストンレディスが15位タイと、好調を維持している。
ウー・チャイェンの強みはショット力。パーオン率は、2024年が17位、昨季が14位で今季現時点(5月25日時点)は2位と、年々、ショット精度に磨きがかかっている。
また、最近2大会連続でパーオン率が1位。現在、国内ツアーで最もショット精度が高い選手のひとりと言える。
そんなウー・チャイェンのスイングはダウンスイングから体をダイナミックに使うタイプ。グリップを見ると、左手は甲が、右手は手の平が正面を向いており、両手ともフックグリップだ。
ウー・チャイェンのスイングについて、グリップを絡めて解説する。
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■パーオン率3位
スイングについて触れる前に、スタッツを整理しておきたい。ウー・チャイェンはパットに課題を抱えている。2位となったSky RKBレディスでは、最終ホール3パットによりプレーオフ進出を逃した。
1ラウンドあたりの平均パット数は、24年がシーズンが81位、昨季が70位、今季現時点が57位となっている。パーオン率が高い選手はこの記録の値が大きくなってしまうのはやむを得ない部分があるし、少しずつ向上していることがうかがえるが、向上の余地が大きい状態である。
ただ、パットの不安定さを補って余りあるショット精度があることは、今季現時点の平均ストロークが4位であることが示している。
パーオン率以外の記録からも、ショット精度の高さが感じられる。トータルドライビングは24年シーズンが11位、昨季が4位、今季現時点が40位となっており、パーオン率順位とトータルドライビング順位を合算したボールストライキングは、24年シーズンが11位、昨季が6位、今季現時点が17位となっている。
今季現時点のトータルドライビングが気になるところではあるが、パーオン率が高水準であることから、心配する必要はないだろう。

ウー・チャイェンのショットスタッツ ※作成:SPREAD編集部
■フックグリップ
ウー・チャイェンのスイングはダイナミック。ダウンスイングからインパクトで反るように体を使う。クラブを、左腕を含めた体の左サイドで強く引っ張って加速させている。
この部分だけを見ると手元が浮いてフェースが開きやすくなりそうだが、左手を見るとフックグリップを採用している。左手甲が正面を向くグリップにすることでフェースの開きを抑えている。
さらに右手もフックグリップ。右手の平が正面を向くグリップを採用している。この点は、フェースの開きにくさもメリットとしてあげられるが、右肘が体の前から外れにくい、というメリットもある。
スイング中、特にインパクト前後で右肘が体の前から外れなければ、腕が余計な動きをしにくくなり、体と腕が調和しやすくなる
腕と体が調和しやすく、ダイナミックに体を使ってもフェースが開かないー。そのようなグリップのメリットを最大限生かしているのが、ウー・チャイェンのスイングである。
■決勝ラウンドの平均ストローク2位
ウー・チャイェンは、予選ラウンドの平均ストロークが11位であるのに対して、決勝ラウンドの平均ストロークが2位。昨季も24年シーズンも、平均ストローク順位は、予選ラウンドより決勝ラウンドの方が上位だった。
これは、プレッシャーがかかるほど強さを発揮している、と言える。プレッシャーに強いスイングであるとも言える。
28日から福島県のグランディ那須白河ゴルフクラブで、リゾートトラストレディスが開催される。昨年大会は違うコースでの開催だったが、ウー・チャイェンは7位タイ、パーオン率は1位タイだった。今年もまた精度が高いショットを武器に、上位進出となるか注目したい。
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著者プロフィール
野洲明●ゴルフ活動家
各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。










