今週は3歳クラシックの最終戦、第87回菊花賞(GI、芝3000m)が京都競馬場で行われる。
今年は、ロブチェンが史上9頭目の3冠馬誕生となるか、注目の一戦。これに待ったをかけるのが、ダービー3着バステールや、同4着ゴーイントゥスカイ、皐月賞4着アスクエジンバラなど、春のクラシック好走組や、セントライト記念を制したジャスティンシカゴ、神戸新聞杯3着シートゥサミットといったトライアル好走組。王者が貫録を見せるのか、それともひと波乱起きるのか、興味の尽きない一戦だ。
そんな中、条件戦連勝中の惑星ダノンヒストリーが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■札幌長距離からの臨戦は複勝圏内ゼロ
半兄にダノンベルーガ、半姉にボンドガールを持ち、2024年のセレクトセール1歳で約4億の高額で落札され、デビュー前から注目を集めていたダノンヒストリー。春のクラシックには乗れなかったが、7月の函館1勝クラスで、2着に2秒3差をつける圧勝劇を見せると、前走札幌の阿寒湖特別(2勝クラス)でも、8馬身差の快勝。ともに芝2600mのレースで見せつけたパフォーマンスは、長距離適性の高さを裏付けるもので、今回の菊花賞では、勢力図を塗り替える可能性を秘めた1頭といえる。
古くは90年メジロマックイーンや、04年デルタブルース、09年スリーロールスなど、夏の上がり馬が台頭する例もあったが、基本的には菊花賞はトライアル組が好結果を残すことが多い一戦。過去10年で、前走条件クラス組は【1.2.4.51】の成績で、勝ったのは23年ドゥレッツァのみだ。
さらに細かく分類すると、前走条件戦から3着以内に好走した7頭は、新潟芝2200mか、中京芝2200mからの臨戦に限られており、前記ドゥレッツァもそのタイプ。前走芝2600mでは【0.0.0.10】、前走札幌コースでは【0.0.0.16】など、前記以外の場所・距離からの臨戦では、複勝圏内にすら届いていない。夏の北海道の長距離戦から菊花賞へ、というルートは、決して結びつきが強くない臨戦過程といえる。
次に、脚質面で考えると、前走4角先頭だった馬の成績は、過去10年【0.1.0.18】で、わずか1連対と振わない。ダノンヒストリーは近2走とも、4角で早めに先頭を奪い、後続をちぎるレース展開ではあったが、過去の傾向からは決して芳しくない材料。今回は一気に相手も強化され、これまでと同様のレース展開に持ち込めない可能性も高い。
■父の産駒は長距離適性に疑問符
血統面では、父エピファネイアは13年の菊花賞馬。長距離適性に不安はないが、これまでに、産駒の芝3000m以上の重賞では【0.5.3.10】と、意外と勝ち切れていない点は気がかりなところ。菊花賞でも【0.2.1.6】と連には絡むものの、24年ダノンデサイルのように、1番人気で6着に沈む例もあり、過信は禁物といえよう。
今年の菊花賞は、ロブチェンを倒すなら、という視点で考えると、未対戦の新星ダノンヒストリーに託したくなる。ましてや、菊花賞3連覇中のルメールが鞍上なら、その期待はなおさらだ。しかし、実績的には物足りない1頭で、臨戦過程や脚質、血統面など、不安材料は多く、伏兵扱いならともかく、対抗的存在で人気を集めるようなら、妙味を考慮すると、少なくとも「頭」勝負は避けたい。
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。












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