【競馬】エリザベス女王杯 ラッキーライラックにとって阪神芝2200mは“好条件”ではない

京都競馬場が改修工事のため、今年のエリザベス女王杯は、1979年以来の阪神開催。つまり、過去のデータ傾向は当てにならず、むしろ阪神芝2200mの分析こそが攻略のポイントになる。

今年は昨年の覇者・ラッキーライラックが参戦。異なる競馬場で連覇は可能なのか。このあたりも含め、京都と阪神のコース傾向を知る必要はある。

■京都芝2200mはコーナーから一気のスピード競馬

まず京都芝2200mは、スタートから1~2コーナーまで平坦。バックストレッチは約500mと長く、3コーナーにかけて上りとなるため、道中のペースは落ち着きやすい。しかし、3~4コーナーからは京都名物の下り坂。ここで一気にペースが速くなり、直線約400mをスピードの持続で走り抜くことになる。

つまり道中、スタミナのロスは少なく、勝負どころの下り坂からのスピード競馬になる。静から動へ、これが京都芝2200mであり、ここで前と後ろの差が開くと、そのまま行った行ったの競馬になることも。

3年連続2着のクロコスミアは、このバックストレッチから4コーナーにかけてのスパートで一気に後続を突き放す競馬で、京都芝2200mの特性を最大限に活かしていた。ラッキーライラックも、スピードに乗ってインからスルリと抜けてのフィニッシュ。

先行しながら突き抜けられなかったラヴズオンリーユーとクロノジェネシスが、クロコスミアを交わせそうで交わせなかったのは印象的だった。

■阪神芝2200mは非常にタフなコースレイアウト

一方、阪神芝2200mは、スタート直後で下り坂。テンの入りが速く、序盤からポジション争いが行われる。一旦、急勾配を上った後、1コーナーからは再び下り坂がスタート。淡々とした流れになり、3~4コーナーから直線にかけて下るレイアウトとなっている。

そして、直線残り200m付近で待ち受けるのが、高低差1.8mの急坂だ。つまり、阪神芝2200mでは、道中でスタミナを消耗し、最後にもうひと踏ん張りが求められることになる。非常にタフなコースと言えるだろう。

梅雨時期ということもあるが、宝塚記念ではレース上がり3Fが35~36秒台になることが多いのはこのため。スタート後すぐに急坂を迎える阪神芝2000mとは求められる資質が異なる。大阪杯→宝塚記念の連勝を飾った馬がいないのも頷ける。

今年も、大阪杯の1着ラッキーライラックと、2着クロノジェネシスが、宝塚記念では1着クロノジェネシス、6着ラッキーライラックと、見事に着順は入れ替わった。

■ラッキーライラックにとっては“好条件”ではない

つまり、京都芝2200mの昨年エリザベス女王杯と、阪神芝2000mの大阪杯を制したラッキーライラックにとって、今回の阪神芝2200mという舞台は、決して“好条件”とは言えないことになる。

むしろ狙いは、スピード競馬では劣るものの、バテない持久力を持つタイプ。ここで穴馬にピックアップしたいのが、3歳牝馬・ウインマリリン。前傾ラップとなったミモザ賞、フローラSで2連勝。オークスではしぶとく粘ってデアリングタクトに1/2馬身差と、タフな先行力は、阪神芝2200mにドンピシャと言える。

著者プロフィール

山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
アスリートの素顔を伝えるメディア『SPREAD』の編集長。旅行・アウトドア雑誌のライターを経て、競馬月刊誌「UMAJIN」の編集長として競馬業界へ。その後、Neo Sports社にて、「B.LEAGUE」「PGA」「RIZIN」等のスポーツ×ゲーミフィケーション事業に携わり、現在に至る。競馬は、1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、盲点となる穴馬の発掘を追求し続けている。

twitterアカウントはこちら⇒『SPREAD』編集長・山田

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