【卓球】Tリーグ、大歓声なき開幕に5G活用 男子はKM東京が好発進、女子は日本生命に波乱

早田ひなを破り接戦を制したKA神奈川・木原美悠 (C)Tリーグ

■関係者の並々ならぬ尽力で迎えた3シーズン目の開幕

国内卓球リーグ「Tリーグ」は17日、東京都下で3シーズン目の開幕を迎え、男子は2連覇中の木下マイスター東京が東京五輪代表の張本智和を欠きながらも昨季2位の琉球アスティーダに完封勝ち。3連覇に向け好発進を切った。女子はやはり3連覇を目指す日本生命レッドエルフ木下アビエル神奈川に破れる波乱の幕開けとなった。

2018年からスタートしたTリーグも各種スポーツ同様、新型コロナウイルス感染対策としてリモートマッチ(無観客試合)で3シーズン目の開催に漕ぎ着けた。何しろ2シーズン目のファイナルは感染余波により中止となったほど。開催に向け、関係者の並々ならぬ尽力があったことだろう。

それでも選手たちは「卓球で元気や勇気を与えたい」と口にし、昨シーズンに勝るとも劣らぬ熱戦を繰り広げた。

昨季ファイナルと同じ顔合わせの男子は、琉球Aの戦力アップもあり接戦が予想されたが、終わってみればKM東京が4マッチ連続ストレート勝利で圧巻の完封勝ち。それぞれのゲームでは手に汗握る展開だったものの、王者の風格を見せつけた形となった。

第2マッチを3-0で勝利したKM東京・水谷隼 (C)Tリーグ

女子はビクトリーマッチまでもつれ、KA神奈川の16歳、木原美悠が日本生命のエースである早田ひなを破り接戦を制した。今後、日本生命の2連覇を阻む戦力となるのか、注目される。

KA神奈川の16歳、木原美悠はビクトリーマッチで見事勝利 (C)Tリーグ

■新技術の導入で提示した新たなスポーツ観戦の可能性

無観客試合のため静寂の中、関係者に見守られて開幕したTリーグ。もちろん大歓声はなく、ゲーム毎にチームメートの拍手と声援だけが会場を包んだ。試合開始当初、選手のステップと打球音だけが響く中、中継席からはアナウンサーと解説を務める倉嶋洋介・男子ナショナルチーム監督の声だけが静かに漏れ伝わって来ていた。

しかし、試合が進むにつれその声は次第に熱を帯び、いつしか会場のどこにいても実況を耳にするように。倉嶋監督の“卓球愛”が感じられるシーンでもあった。

実はこの放送では、今季からTリーグのスポンサーとなったNTTドコモとNTTぷららにより日本のプロスポーツ界では初となる5G通信による映像中継が実施された。これには日本卓球協会常務理事・強化部長の宮崎義仁氏も自身のTwitterで「5Gの配信いいですね」と呟くほど。スポーツの新しい見せ方にご満悦のようだった。

依然、新型コロナ禍に苦しめられるスポーツ界ながら「無観客試合」とネガティブに捉えるのではなく、こうした新技術への積極的な取り組みにより、ポストコロナ時代の新しいスポーツの観戦手法を生み出し、将来につなげて欲しいもの。Tリーグの開幕戦は、そんな可能性も提示していた。こうした新技術の新しい歴史を作り出すのかにも、注目したい。

著者プロフィール

たまさぶろ●エッセイスト、BAR評論家、スポーツ・プロデューサー

『週刊宝石』『FMステーション』などにて編集者を務めた後、渡米。ニューヨークで創作、ジャーナリズムを学び、この頃からフリーランスとして活動。Berlitz Translation Services Inc.、CNN Inc.本社勤務などを経て帰国。

MSNスポーツと『Number』の協業サイト運営、MLB日本語公式サイトをマネジメントするなど、スポーツ・プロデューサーとしても活躍。

著書に『My Lost New York ~ BAR評論家がつづる九・一一前夜と現在(いま)』、『麗しきバーテンダーたち』など。

推定市場価格1000万円超のコレクションを有する雑誌創刊号マニアでもある。

リトルリーグ時代に神宮球場を行進して以来、チームの勝率が若松勉の打率よりも低い頃からの東京ヤクルトスワローズ・ファン。MLBはその流れで、ニューヨーク・メッツ推し。

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