【総合格闘技】「RIZIN.26」朝倉海vs.堀口恭司 1年越しリベンジマッチの勝敗予想

堀口恭司vs.朝倉海の初対決は、2019年8月18日の「RIZIN.18」。当時、RIZINベラトールのバンタム級2冠王者・堀口恭司と、まだRIZIN5戦目の朝倉海のカードは、堀口の優勢という下馬評だった。

RIZIN史上最大のジャイアントキリング。そう呼ばれた試合結果は、朝倉海の68秒KO勝ちという衝撃的な結末だった。開始早々、兄・朝倉未来と練った作戦どおりのライトクロスカウンターがヒットし、手をついた堀口。そこから朝倉のラッシュでロープ際に追い込まれ、防戦一方になった堀口に、レフェリーの手が上がった。

いったい、何が起きたのか……。呆然とリングに座り込む堀口の表情が、世紀の“ジャイキリ”を物語っていた。

▼「RIZIN.18」堀口恭司vs.朝倉海(RIZIN FIGHTING FEDERATION)

当時はノンタイトルのスペシャルワンマッチ。その年末「RIZIN.20」には、RIZINバンダム級のベルトを懸けたタイトルマッチを行う予定だったが、堀口が右膝前十字靭帯の断裂、半月板損傷で全治10カ月という怪我を負い、再戦はお預けとなった。

2020年大みそか「Yogibo presents RIZIN.26」の決戦は、1年越しのリベンジマッチとなる。その間、朝倉海はRIZINバンダム級の王者となり、挑戦者・堀口恭司を迎え撃つかたちとなった。

文字どおりの「頂上決戦」となるこの世紀のカードを予想してみる。

■瞬殺の破壊力を持つ朝倉海のスタンディング

王者・朝倉海の武器は、やはりスタンディングの強さにある。堀口戦から2カ月後の「RIZIN.19」では佐々木憂流迦と対戦し、1ラウンド54秒のスピードKO。右フックと左アッパーで佐々木の顎を粉砕してしまった。

▼「RIZIN.19」朝倉海vs.佐々木憂流迦(RIZIN FIGHTING FEDERATION)

2019年大みそか大会「RIZIN.20」では、マネル・ケイプにTKO負けを喫したものの、今年は「RIZIN.23」で扇久保博正を1ラウンド4分31秒、「RIZIN.24」では昇侍を1ラウンド2分37秒でTKO勝ち。どちらもスタンディングから相手を追い込み、サッカーボールキックで締めくくっている。

魅力は、その圧倒的な爆発力。足腰の強さもあり、テイクダウンディフェンスは極めて高く、試合運びはおのずとスタンディングが中心となる。そこに加えて、一撃入ると相手の動きを止めてしまう、場合によっては仕留めてしまうほどのパンチ力がある。

1年前の堀口戦より、はるかにビルドアップされた体からも、その威力はさらに増しているはずだ。また、相手の視線を上下に分散させる打撃の組み合わせもうまく、堀口戦で見せたように、カウンターの精度が高い。

マネル・ケイプ戦では相手の間合いに入りすぎた感があったが、身長差7センチもある堀口とのスタンディングであれば、得意のカウンターを狙いやすい距離を保つことができる。

■ジワジワと主導権を手繰り寄せる堀口恭司

対する元王者・堀口恭司は、言わずもがな総合力の高さがウリ。スタンディングのうまさは、あの伝説の那須川天心戦でも披露したとおりで、軽快なフットワークから相手の懐へ飛び込むスタイルは、165センチという身長をカバーするには十分すぎるものがある。

当然ながらグラップリング(寝技)は一級品。2018年大みそか大会「RIZIN.14」ではベラトール世界バンダム級王者ダリオン・コールドウェルを相手に、劣勢の展開から見せた3ラウンド目のフロントチョークは、堀口のグラップリング技術を語る上では欠かせないシーンだ。

▼「RIZIN.14」堀口恭司vs.ダリオン・コールドウェル(RIZIN FIGHTING FEDERATION)

終始、相手に主導権を取られているように見え、じつはその瞬間を狙っていたという、クレバーな試合運びこそが、堀口最大の武器と言える。

前回の朝倉戦では、序盤から自ら早めの展開を作ったが、あの破壊力のある朝倉のカウンターは、堀口も警戒するはず。ジワジワと主導権を手繰り寄せる展開に持ち込み、朝倉の動きが鈍った頃、得意のグラップリングを仕掛けてくるのではないか。

■ギリギリのせめぎ合いは今カードの見どころ

序盤は様子見。早めの展開を望む朝倉に対し、距離を保ちながらの試合を望む堀口。一発でも朝倉のパンチがヒットすれば一気に試合を決めにかかるだろうが、今度は堀口もそうさせまい。

ただし、身長差、足腰の強さから、朝倉からテイクダウンを奪うのはそう容易ではない。そこで堀口も打撃で応戦。徐々に両者の距離は縮まっていくだろうが、そのギリギリのせめぎ合いは今カードの見どころになる。

スタンディングで決めたい朝倉海、グラップリングに持ち込みたい堀口恭司。一瞬たりとも気を抜けない展開が続くが、最後は長期戦の経験値がモノを言う。結論。堀口恭司の絞め技一本によるTO勝ち。1年越しのリベンジ達成を決めると見た。

著者プロフィール

山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
アスリートの素顔を伝えるメディア『SPREAD』の編集長。旅行・アウトドア雑誌のライターを経て、競馬月刊誌「UMAJIN」の編集長として競馬業界へ。その後、Neo Sports社にて、「B.LEAGUE」「PGA」「RIZIN」等のスポーツ×ゲーミフィケーション事業に携わり、現在に至る。競馬は、1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、盲点となる穴馬の発掘を追求し続けている。

twitterアカウントはこちら⇒『SPREAD』編集長・山田

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