南谷真鈴が語る「心のコンパス」理論…自分が本当に求めていることを知る方法【#4】

「南谷真鈴」。日本人最年少で世界7大陸最高峰を制覇。「エクスプローラーズ・グランドスラム」達成の世界最年少記録を樹立。並の記録ではない。今回は、彼女の生き方の根本に迫った。(聞き手、撮影は大日方航)

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豊かに生きるためにすべきこと

一番のLuxury(贅沢)は時間だと思います。日本でも、お金があるのに幸せではない、という人がいるように思えます。お金は有り余っているのに、時間の余裕が1分もなかったりする。『それって幸せ?それって豊か?』と考えると、私はそうでもないんじゃないかと思っています」

「自分の時間を持てて、自分のやりたいこと、自分を高めること、有意義なことに時間を使えるのが、一番の幸せな生き方なんじゃないかな」

確かに、誰もが平等に与えられている時間をうまく使っていくことは、人類の大きな課題だろう。その限られた時間に優先順位をつけ、どう生きるか。何に時間を割くのか。では、南谷さんはどうしているのだろうか。

「心がビビッと笑顔になる方向に進むことをいつも心がけています。私はこれを『心のコンパス』と呼んでいます

―心のコンパス。

ある種、直感のようなものに従って生きるということに相違ないだろう。あらゆるものに好奇心が湧き、実際に取り組み始めたら脇目も振らず走り抜ける。

それを南谷さんがとことんまでできるのは、本当に自分が望んでいるものに気づけているからだ。

自分が本当は何がしたいのか。何か惹かれるものがあったとしても、できない理由を積み上げていくうちに、昔は方角をキチッと指していたコンパスが知らず知らずのうちにブレていき、本当に求めているものがわからなくなっている。

南谷さんは、自分が本当に望んでいるものを理解するための、「心のコンパス」の精度が非常に高いのだと感じた

しかしながら、望んでいることを常に100%で追い求められない状況というのも、おそらく存在するはずだ。どうすれば、コンパスの針を錆びずに保てるのだろうか。

心のコンパスの鍛え方

南谷さんは、日常生活でも実践できる方法と、”幸せ”を感じるための環境の大切さを話してくれた。

美味しいものを食べた時に美味しいと思ったら、それを『美味しい〜!』とちゃんと言えるかどうか。天気がいい時に外を歩いていたら、『天気が青くて素敵だな〜!』と思えるかどうか。これを習慣にすると楽しさが倍になる。プラスの感情を声に出したり、しっかり心で受け止めてあげること

「人は恐れを感じないで生きていけばいくほど、ありがたみがわからなくなる。死の危険を感じたり、全てを失いそうになった経験があると、空気を吸っているだけで『なんて幸せなのか』と思えるので、ちょっとリスクのある生き方をした方がいいかもしれないです(笑)

「人は、怠ける方向に進むじゃないですか。だから私は、つまらない日々が続くと冷水でシャワーを浴びるようにしています(笑)。すごく嫌だし、寒いし辛い。でも、気持ちがリフレッシュされて、それから解放されるだけで、今日も一日頑張ろうと思えるんです

「世の中は”極”じゃないですか。北極もあれば南極もある。黒もあれば白もある。寒いもあれば暑いもある。日本みたいなぬるま湯のような環境の国に浸かっていると、何が良くて何が悪いのか。何が幸せなのかわからなくなる

あえて自分を物理的にもちょっとリスクに晒してみることで、生きていることのありがたみを実感する。南谷さんが登山を始めた理由にも、この哲学はもしかしたらどこかで繋がっているのかもしれない。

【編集後記】

南谷さんが挑戦した、世界七大陸最高峰登頂。2015年1月3日、その最初の挑戦となった「アコンカグア」(南米大陸最高峰)だが、私は2016年、その「アコンカグア」というブランドのバックパックを背負って中南米を中心に各地を半年ほど放浪していた。

登山に魅了される前、「生徒全員にパソコンが配られ、24時間ネットに繋がっているという環境」のせいで自分のアイデンティティがわからなくなっていた、という南谷さんの言葉があったが、私自身も放浪中はインターネットの利用をあえて最小限に抑えており、当初は似たような気持ちがあったように思う。

私は「世界七大陸最高峰登頂」といった業績を成し遂げていないし、何か強い目的意識があった訳でもない。そのため南谷さんと比べるのもおこがましいが、南谷さんの著書を読み、インタビューを進めていく中で、多々共感を覚えるような発言があった。

そのため、限られたインタビューの時間だったが、事前に準備していた質問を意識しすぎず、自分の気になった部分に関する質問をその場で続けたため、多岐に渡る話を聞かせてもらうことができたと思っている。

「心のコンパス」という言葉があったが、南谷さんが7大陸最高峰制覇、エクスプローラーズ・グランドスラム達成などの快挙を成し遂げることができたのは、純粋に心から「やりたい」と思えている熱意の度合いが、限りなく純度100%に近いからなのだと、インタビューをしていても感じた。

今、本当にやりたいことはありますか。

そう問われて、心から自分のやりたいことを挙げられる人が、世界中にどのくらい存在するだろうか。

「なんとなくやりたいことはあるけれども…」

そうした答えはいくらでも出てくるかもしれない。しかし、いろいろな事情を勘案して、心の底から100%やりたいかと言われれば、微妙なところではないだろうか。

南谷さんは、その理由の一つを「心の筋トレ」が足りていないからだと示唆する。

日々、自分の心が求めていることに気づくためのトレーニングをすること。それを習慣としていれば、きっと自身が求めることに気づける、のかもしれない。

美味しいと思ったら、美味しいと本気で言う事。綺麗だと思ったら、その感情を素直に感じる事。そして、日常生活でもちょっぴりリスクを背負って、生きていることを実感する。

それは、今日からでもできることだ。

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《大日方 航》

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