【ダンス】初代チャンピオンはavex ROYALBRATS D.LEAGUEは世界への扉を開く

 

■D.LEAGUEが新しい道を拓く

(C)D.LEAGUE 20-21

最終王者に輝いたのは、12ラウンド中3回の優勝を飾ってきたRIEHATA率いるROYAL BRATS。レギュラーシーズンで長く王座に君臨していたFULLCAST RAISERZを抑えて見事に記念すべきDリーグの初回王座決定戦を勝ち取った。

ディレクターであり、SPダンサーとしても参加したRIEHATAは、それぞれのチームがジャンルの違うダンスを踊って競う難しさについて相当考え抜いたという。「ダンスってジャッジができない。何回転とかはないし、どれだけ自分達のダンスを分かってもらえるか、どうやったら勝っていけるかも何もわからなかった。でも、悩み考え抜く中で、大事なのは誰かに勝つことではなくて自分に勝つことだと分かりました。そして、とにかくかっこいいスワップを踊って、8人がひとつの生き物、ひとつの脳になって、駆け抜ける感じ。速くて細かいリズムで非人間的なまでのダンスを“あばれて踊る”中にハイスキルが見えてくる感じを見せたいと思って作品を創りました。」RIEHATAが考え抜いた“決戦の舞い”は、その狙い通りにしっかりと観る者の心を捕らえて魅了し、確かにDリーグ初代王座を飾るにふさわしい強さと迫力に満ちていた。

ところで、先にも述べたがチャンピオンシップはトーナメント制のため、当然だが、対決ごとに勝者と敗者が決まってゆく。そして、RIEHATAも言っていた様に、ROYAL BRATSのスワップ、FULLCAST RAISERZのクランク、8ROCKSのブレイキンなど、細かくはジャンルが違うダンスをジャッジするための明確な基準はない。そういう意味でも、Dリーグは世界初の試みに挑戦していることになる。

今回、このチャンピオンシップで戦った4チームの勝敗を決めていくにあたり、何人ものジャッジから「決めるのが難しかった」「つらかった」という声が上がっていた。実際、開幕から決戦までをつぶさに観戦してきた筆者も、レギュラーシーズンは“まだ先がある”という気持ちがあったからか、ある意味多少気楽に楽しんで見ていられた。

だが、この決戦トーナメントは一戦一戦のジャッジを受け入れるのがどうにもつらく、胸が痛かった。それほどに、観るものに迫ってくる各チームのそれぞれの思いや、しのぎを削る練習風景を彷彿させる熱いダンスに、Dリーガー的に表現すると“くらって”しまっていた。胸が痛すぎて「耐えられない!」と感じたほどだ。

全ラウンドでレギュラージャッジを務めた黒須洋嗣氏も、試合後のコメントで「それぞれジャンルが違っていても、Dリーグは確かに次世代にダンスをつなげてゆくことになるだろう。」と語りながら「しかし、なんでこんなに泣けてくるんだろう?」と男泣きしていた。その涙は、これから、ダンスと全てのダンサーに新しい道が拓けて行くということへの感慨と共に、おそらく、同じダンサーだからこそ“分かり過ぎてしまう”各チームの努力と演技に勝敗をつけるということの、胸の痛みに対して流されていたものでもあったのではないだろうか。

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