■手応えが感じられたD.LEAGUEファーストシーズン
決勝戦で、足太鼓と手拍子の音のみで踊るという、これまでで最も難しいナンバーで攻めた“男気”をみせてくれた2位のFULLCAST RAISERZ、独特の空気感と共に色気で魅せた3位のSEGA SAMMY LUX、ゲストジャッジのYoshieとSamから「一番身体能力が高い」「これからの子供達がもっとも憧れるチームになる」と賞賛された4位のKOSE 8ROCKS。すべてが本当に、「勝っても負けても格好いい、そして美しい」戦いだった。
フィナーレのステージ上で、DリーグCEOの神田勘太朗氏も言っていたように、「熱量の掛け合いこそがエンターテイメント」であり、人々の胸を苦しくし、涙を流させるほどに、Dリーグには既に、その熱がしっかりと宿っていた。
そして、今や野球やサッカーと同様に、ダンスが学校で必修授業となっており、各ダンサーの一つ一つの動きも一般に理解しやすい土壌がととのってきたこの日本で、言葉ではないもので気持ちを伝えることができるダンスの、今後の盛り上がりは疑う余地がない。そのうえどうやら、既存のスポーツ以上に、戦いを終えた相手に尊敬と感謝を伝え、思いっきり互いに褒め称えるカルチャーが育ってきている。何よりも観る人々にとびきりの元気や勇気を与えることが出来るのが、「世界共通言語」であるダンスのダントツの強さだろう。
最後に、優勝後のRIEHATAからの言葉に戻りたい。
「踊ってきて、今までつらいと思ったことはないです。でもいつも、がんばってもがんばっても、まだまだ足りないと感じてきました。今日初めて、心から自分に“がんばった”って言えました。短いスパンで、次から次へと身を削る思いでやってきましたが、これからは人のためになることをやっていきたいです。自分を育ててくれたダンス界に恩返しをしていきたい。誰かが上にのぼって、輝いて、次の人が続いていくことは、平和にも繋がることだと思っています。」
Dリーグへの参戦は、CEOの神田勘太朗氏も言っていたように「生半可な覚悟ではできない」だろう。
開幕からファイナルまでの各ダンサーが通った道程は、どんなに想像を尽くしても、実際にそこを通ってきたダンサーにしか語れない壮絶な修練の道だったに違いない。しかし、この半年を終え、まさにダンスの新時代が、幕開けた。
いまここにある煌きと、巻き起こり始めた風が、次のシーズンへ続き、そして日本から世界へとつながっていくことを強く信じつつ、この厳しきコロナ禍でも確かな手応えを感じることができたDリーグ・ファーストシーズンの成功に、祝福を贈りたい。
◆THE GREAT HEART of“8ROCKS” ブレイキン世界一のISSEI率いる熱き魂
◆踊る心が結晶しマイケルの魂も降臨…SEGA SAMMY LUX、“ガン揃え”の圧巻ナンバーでチャンピオンシップ進出
◆踊る情熱が、熱風に変わるとき avex ROYALBRATS、迷いなきパフォーマンスでDリーグ3勝目
著者プロフィール
Naomi Ogawa Ross●クリエイティブ・ディレクター、ライター
『CREA Traveller』『週刊文春』のファッション&ライフスタイル・ディレクター、『文學界』の文藝編集者など、長年多岐に亘る雑誌メディア業に従事。宮古島ハイビスカス産業や再生可能エネルギー業界のクリエイティブ・ディレクターとしても活躍中。齢3歳で、松竹で歌舞伎プロデューサーをしていた亡父の導きのもと尾上流家元に日舞を習い始めた時からサルサに嵌る現在まで、心の本業はダンサー。
















