【テニス】18歳での引退からカムバック バーティが叶えた夢のウィンブルドン制覇

ウィンブルドン女子シングルスで初優勝したアシュリー・バーティ(2021年7月10日)(C)Getty Images

アシュリー・バーティのテニス人生に、またひとつ大きな優勝シャーレが加えられた。彼女が切望してきたヴィーナス・ローズウォーター・ディッシュである。

■怪我を乗り越えウィンブルドン初優勝

この優勝シャーレにキスをするひと月前、彼女は全仏オープンの2回戦を左股関節の怪我により途中棄権した。怪我の全容は明かされないままだったが、「全治2カ月」だったと今大会終了後に告白、「ウィンブルドンでプレーできたことは奇跡だった」と振り返った。体力面での不安材料を抱え「ぶっつけ本番」で臨んだ今大会、しかし見る者に怪我の状態など悟らせないほど完成度の高いテニスを見せた。覚悟を決めていたかのような凛々しい彼女の表情には、そんな理由があったのだろう。

母国オーストラリアの英雄、同じくアボリジニの血をひき、グランドスラム大会7度優勝のイボンヌ・グーラゴングからインスピレーションを得て制作したウェアも、大会前から話題となり、彼女の挑戦を後押し。ひらりと揺れるレースカットの花柄ウェアからは、半世紀前にこの地で初優勝を飾ったグーラゴングの姿が思い起こさせ、オーストラリア国民は現代のスターであるバーティと彼女の姿をだぶらせては、優勝を期待した。

◆【動画/優勝の瞬間】「子供の頃からの夢実現」泣き崩れるバーティと観客の大歓声

■控え目なバーティが口にした“人生最大の目標”

素朴で控え目とも言えるバーティが「テニス人生で最大の目標はウィンブルドンでの優勝」と公言したのは昨夏、オーストラリア公共番組『one plus one』のインタビューでのこと。

バーティのコーチであるクレイグ・タイザー氏は、「ウィンブルドン優勝の目標は彼女の心の中にいつもあったと思う。私がやりたいことはこれだ、と言い切ることはとても大変なことだ。しかし、それを口に出すことは彼女にとって大きな一歩だった」と語っている。

またウィンブルドンを2度制覇したグーラゴングも、バーティが口にした目標にエールを送った。「私も後年になるまで真の目標をあまり話さなかったと思います。自分の中で秘めていたようなものですから。でも言葉にし始めると、いろいろなことが起こりだします。夢は叶う。これは私が彼女に贈る最後のメッセージです」。


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