今週はサマースプリントシリーズ第5戦、第21回キーンランドカップ(GIII、芝1200m)が札幌競馬場で行われる。
今年は、昨年のNHKマイルC覇者で、レース連覇を狙うパンジャタワーと、スプリンターズSを制したウインカーネリアンのGI馬2頭が参戦。加えて、函館スプリントS2着エーティーマクフィなど、計6頭の重賞ウイナーがエントリー。対するは、OPのUHB賞を制したナムラクララや、同2着ルシード、条件戦3連勝中のロジケープや、サウンドモリアーナといった新興勢力がぶつかり、秋のGIを見据えた激しい戦いが期待される。
そんな中、GI馬に上り詰めたウインカーネリアンが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■59キロの酷量と年齢の壁
昨秋スプリンターズSを制し、悲願のGI初制覇を果たしたウインカーネリアン。暮れには香港スプリントに参戦して11着に大敗したが、今春は高松宮記念から始動し、いつもとは違う4番手の競馬から3着に好走と、力のあるところを示した。スプリンターズS連覇を最大目標に、ここは弾みをつけたい前哨戦となる。
力の衰えを見せていないとはいえ、迎えた9歳の夏。数字だけで考えると、やはり食指は動きにくい。過去10年のキーンランドCで、勝ち馬は3、4、5歳が各3勝ずつと、若い馬が主戦場。7歳以上の馬の成績は【1.0.1.21】で、2017年エポワスが9歳で勝っているものの、高齢馬の大半は2ケタ着順に沈んでおり、若い力を跳ね返すことは容易ではない。
また、GI馬だけに致し方ないところだが、斤量59キロを背負う点もネック。過去20回のキーンランドCの歴史上、59キロを背負ったのは2例しかないが、ともに着外に沈んでおり、58キロ以上でも【0.2.1.10】と勝ち馬を輩出していない。前走から斤量増というケースも、過去10年では【0.1.3.39】と厳しい戦いを強いられており、55キロで戦える3歳馬たちに比べると、かなりの“ハンデ”だ。
■血統面の相性は悪く脚質にも不安
血統面では、スクリーンヒーロー産駒は、洋芝の札幌・函館でも、他場と変わりなく結果を残してはいるが、芝1200mに限ると、札幌・函館ともに、3勝クラス以上の上級条件では勝つことができていない。加えて、過去20回のキーンランドCで、父系を遡るロベルト系産駒は【0.3.2.21】と、出走数の多さの割には1頭も勝てていない。ウインカーネリアン自身も、札幌は2戦してどちらも5着に敗れており、洋芝適性には疑問が残る。
過去20回のキーンランドCで、逃げ切り勝ちはわずかに3勝と、平坦小回りコースの割には、先行・差しタイプが幅を利かせる一戦。ウインカーネリアンは戦法が自在になってきたが、今回のメンバーで徹底逃げタイプは少なく、自然とハナに立ってしまう可能性もある。どのようなレース展開で進むのか、そのあたりも馬券の取捨に影響しそうだ。
GI馬として、ウインカーネリアンはパンジャタワーと並んで格上の存在。GIIIのここなら堂々主役の1頭だろう。しかし、9歳という年齢や斤量、血統面など、好走するにはハードな条件が揃っており、伏兵扱いならともかく、人気を集めるようであれば妙味は乏しく、少なくとも「頭」勝負は避けたい。
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。














