女子バスケットボールリーグ(Wリーグ)は14日、東京ドームホテルで第23回Wリーグ開幕記者会見を開き、新シーズンへの戦略を明らかにした。また、これに合わせて東京五輪銀メダル獲得メンバーがトークセッションを行い、馬瓜エブリン(トヨタ自動車アンテロープス)、渡嘉敷来夢(ENEOSサンフラワーズ)、髙田真希(デンソーアイリス)、町田瑠唯(富士通レッドウェーブ)の4選手が壇上で笑いの花を咲かせた(渡嘉敷はケガにより五輪欠場)。
本セッションでは、カンヌ受賞映画監督として知られる河瀨直美Wリーグ会長も参加。会長としてよりも、映画監督としての視点から4選手を撮影対象としてどう料理するか、さらに会場を盛り上げた。
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■「河瀨会長、わたしのココ撮って」
トークセッションの最初のテーマは「河瀨会長、わたしのココ撮って」。前段の記者会見で、河瀨会長は、「Wリーグ史上初1万人集客に挑戦」「河瀨監督、動きます」「競技を超えて、東京2020五輪での縁を大切に」の3つの公約を掲げ、「次の子供たちに夢を見させるために選手の顔を撮影する」と会見中に語った通り、さっそくその公約の具現化がトークテーマとなったかたちだ。
このテーマに対し、「最近テレビに出すぎじゃないか」といじられキャラの馬瓜は、「感情剥き出しのハッスルプレーを撮って欲しい。私は外でも中でも感情剥き出しで、いいプレーをすれば喜びます。ルーズボール(キープ)などでチームに貢献したい」と自身の思いを話した。
リーグでもベテランの域に入りすっかりボスキャラ(!?)の渡嘉敷は、「ぎらついている姿を撮って欲しい。リーグでは12年目になり、数年前、米国に挑戦した時に新しいことに挑戦する楽しみだったり、闘争心というものがあったのですが、またその時の気持ちを東京五輪の結果を見て出てきました。今回リーグにかける思いは他の選手より強いので撮って欲しい」と五輪欠場のリベンジを期した。
株式会社TRUE HOPE社長という経営者の肩書も持つ髙田は、「バスケットシューズを撮って欲しい。自分のファンクラブのファンの方にデザインを募集し、そのデザインを実物にしたものが10足以上あるので、それを毎試合変えて履きたいなと思っています。カラフルなものもあるので、ファンの思いも乗せながら試合に挑んでいきます」とファンを思いやるコメント残した。
最後に町田は、「アシスト+αを撮って欲しい。私のイメージは町田=アシストという印象になっていると思うのですが、リーグを通してアシストだけではないというところを見せていきたい。得点にも絡んでいきたいと思っています」と自身のプレースタイルに言及、生真面目さが際立った。
■「うちのチームのココ撮って」
セッション2つ目のテーマは「うちのチームのココ撮って」。
これについて馬瓜は「お祭り級のベンチの盛り上がりです! ファンの方々も『一緒に盛り上がれる』『すごい楽しいですね』と言ってもらえるくらい、どこのチームにも負けないほどの盛り上がりを見せます。今シーズンはメンバーも変わりましたが、一緒になって盛り上がっていきたいので是非とも撮って欲しい」と熱く語った。
渡嘉敷は、「シーズンを通した成長を撮って欲しい。私たちのチームは中堅選手が移籍であったり、引退でチームがかなり若返ったので、シーズンを通して成長する姿を撮って欲しい。その成長する姿を私自身も楽しみにしています」と若手中心のチームに期待を寄せ、珍しく(!?)真面目にコメントした。
髙田は「ヘッドコーチのファッションを撮って欲しい。セルビア代表の監督でもあるのですが、かなりファッショナブルで、オシャレで髪型、靴、マスクなどかなり意識していると思うので、プレーも含めてそうゆうところも撮って欲しいです」と個性的なヘッドコーチをアピールした。これに対し河瀨会長が「ブランドとコラボしたら」と逆提案する場面も。
町田が「トランジションの速さを撮って欲しい。富士通は早いバスケットを展開するチームではあるのですが、今年はより早いバスケットを展開したいと思っており、カメラが追いつけないくらいくらいの速さでトランジションを出せるように頑張っていきたいと思います」と主張すると、これにも河瀨会長が「(野球などと異なり)カメラで追いかけるのが大変」と学生時代自身もプレーヤーとして活躍したバスケ特有のスピードについて、撮影の苦労を吐露した。
Wリーグは16日開幕。五輪で銀メダルを獲得し俄然注目度が高まる中、掲げた3つの公約を軸に女子バスケをどこまで人気競技に押し上げることができるのか、各選手の躍動が鍵となりそうだ
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文・SPREAD編集部