8月29日に行われたアジア大会陸上男子200メートルで小池祐貴選手が金メダルを獲得した。
スタートから勢いよく飛び出すと最終コーナーの出口で加速し、僅かに前を行っていた台湾の楊俊瀚選手に並ぶ。
直線では2人で後続を引き離し最後は小池選手、楊選手ともに倒れ込みながらのゴールだった。
大接戦の決着は数分間に及ぶ写真判定に委ねられ、小池選手は0秒002の差でアジア王者になった。
これまで世界選手権にもオリンピックにも出たことのなかった選手が、2006年大会の末續慎吾さん以来の金メダルを日本にもたらした。
桐生祥秀の影に隠れ続けた高校時代
中学まで野球をやっていたが「個人競技への興味」から陸上に転向したという小池選手は、立命館慶祥高校で本格的に陸上を始めると、1年時からインターハイに出場するなど早くも頭角を現し始める。
2年時、3年時には全国大会で入賞を繰り返し高校トップクラスのランナーに成長した。しかし、その前には常に同学年の桐生祥秀選手が立ちはだかった。
小池選手のタイムも例年ならタイトルを獲得してもおかしくないものだったが、高校生にして100メートル日本歴代2位の記録を保持する桐生選手との直接対決には勝てず、『桐生祥秀のライバル』と言われながら後塵を拝し続けた。
転機になったのは走り幅跳び元日本記録保持者の臼井淳一コーチに師事したことだった。
練習から全力に近いスピードで走り、本番でその上を目指す練習法を取っていた小池選手に対して、臼井コーチは練習ではスピードを抑えめに走って正しい感覚や身体の動きを染み込ませることを繰り返させた。
自分だけでは気づけなかった視点を得たことで、小池選手は急成長した。
これまで桐生選手の影に隠れがちだった小池選手の栄冠に、陸上ファンからは「今年花開いたのは今までの苦しさに耐えて頑張ったからだと思う」「コツコツ頑張ってきたアスリートに、こうしてスポットライトが当たるのは本当に嬉しい!」「漫画みたいなストーリー」と喜びの声が寄せられている。
小池は桐生と同学年で高校のころからずっと2位。しかしタイムは10.38をマークするなどしたが桐生が当時異常すぎて注目されなかった。その後も大学時代は好タイムをマークするがリオメンバーや世陸メンバーで注目はあまりされなかった。今年花開いたのは今までの苦しさに耐えて頑張ったからだと思う。 https://t.co/13yEmU8P3L
— いっしぃー (@athletic_sprint) 2018年8月29日
小池選手、学生時代例年だったらインハイとか優勝してもおかしくないタイムだったのに桐生選手と同年代だったから勝てなかったみたいけど、初国際大会で200m金メダルすごいし、漫画みたいなストーリーで胸アツ
— リョーヤ (@ry98tandf) 2018年8月29日
小池選手。今まで知名度も桐生選手とかと比べて低かったと思うけど、日本選手権の時から実力は国内でトップクラスだと思った!これから日本のエースになって下さい!
— おーたろー (@zeno34_Bs) 2018年8月29日
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