■1ステップの「重み」が伝えるもの
前述したとおり、プレスカンファレンスの中盤では、全チーム紹介のため、短いながらも各チームの個性をとらえたパフォーマンスが次々と流れるように披露された。ファーストシーズンの闘いを懐かしく思い出しながら、そのパフォーマンスを見始めた筆者だったが、昨年の開幕時のパフォーマンスを思い起こして比べると、明らかにDリーガー全員の逞しさが増していることに気が付く。プロフェッショナルとしての風格を身にまとい始めていることも見て取れ、胸にじんわりとした感動と誇らしい気持ちが広がってきた。
レギュラーシーズンの12ラウンドと、チャンピオンズリーグを通して、各チーム漏れることなく1ラウンドごとに輝きを増していることは肌で感じてきたが、この2年目の扉が開く手前に、彼らが目覚ましい成長を遂げたという事実をひしひしと感じ取ることが出来たことは何よりの収穫である。

キレのあるダンスパフォーマンスで会場を魅了した「USEN-NEXT I’moon」(撮影:SPREAD編集部)
この日、彼らの1ステップ1ステップは、以前よりもずっと強く確信に満ちていて、迷いがなく重みを増していた。確実なステップはダンサーにとって何よりも大事なものであり、すべての踊るエネルギーの源だ。また、その重みのあるステップを踏めるようになるまでの努力と熱量は、必ず観るものの心を動かすことができる。
そしてまた、その重みあるステップと共に初年度を経て目覚ましく成長を遂げた彼らの勇姿は、思う存分活躍することが叶い許された、この「D.LEAGUE」という大舞台が、世界中のすべてのダンサーにとって、いかに大切で意味深いことなのかの証にもなっていた。
「21-22 SEASON」の開幕を目前に、輝きと力強さを増したDリーグの、今後の躍進は疑う余地がない。コロナ禍を超え、日本中、いや、世界中のダンスファンが、心で共にステップを踏める至福の時は、もうすぐやってくる。
◆【前編】″ダンスの救世主″カリスマカンタローかく語りき 「絶対やり遂げてから死のうと思っている。」
◆【後編】″ダンスの救世主″カリスマカンタローかく語りき ダンサーの本質的な幸せと権利
◆Dリーグ唯一のガールズチーム「I’moon」が描く未来図 「夢の選択肢を増やしたい」
著者プロフィール
Naomi Ogawa Ross●クリエイティブ・ディレクター、ライター
『CREA Traveller』『週刊文春』のファッション&ライフスタイル・ディレクター、『文學界』の文藝編集者など、長年多岐に亘る雑誌メディア業に従事。宮古島ハイビスカス産業や再生可能エネルギー業界のクリエイティブ・ディレクターとしても活躍中。齢3歳で、松竹で歌舞伎プロデューサーをしていた亡父の導きのもと尾上流家元に日舞を習い始めた時からサルサに嵌る現在まで、心の本業はダンサー。










