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【プロ野球】日本ハム・伊藤大海、注目すべきは“ゲームメイク能力” 勝敗の裏に潜む好スタッツとは

 

【プロ野球】日本ハム・伊藤大海、注目すべきは“ゲームメイク能力” 勝敗の裏に潜む好スタッツとは
侍ジャパンでも好投した日本ハム伊藤大海(C)Getty Images

2021年シーズンが終了したプロ野球だが、注目のMVPや新人王は15日の「NPB AWARDS 2021」で発表される。今季は両リーグともに新人選手の活躍が目立ち、パ・リーグでは好投手3人が候補と目されている。

開幕前に注目度が高かったのは、楽天のルーキー・早川隆久であったが、オリックスの2年目左腕・宮城大弥が大ブレーク。左のエースとしてチームを支え、リーグ制覇にも大きく貢献した。

宮城は13勝4敗、防御率2.51と抜群の成績を残したこともあり、新人王本命の呼び声も高いが、侮れない対抗馬となっているのが日本ハム・伊藤大海だ。チームは下位に低迷しながらも、10勝と防御率2点台を達成。スタッツ面でも、宮城に勝るとも劣らない結果を残した。東京五輪での好投でも話題をさらった右腕の今季を振り返っていきたい。

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■デビューからら23回連続奪三振の離れ業

パ・リーグの主な新人王候補の今季成績

苫小牧駒澤大学から1位指名を受けて日本ハムに入団した伊藤は、前評判通りに開幕ローテーション入り。初登板初勝利こそ逃したが、デビューから23イニング連続奪三振の離れ業で、木田勇(1980年)のNPB新人記録に肩を並べた。

交流戦でも3勝、防御率0.90と勢いは衰えず、東京五輪を戦う侍ジャパンにも選出。中継ぎとしてメダルがかかった準決勝、決勝の終盤を任されると、度胸満点の好救援を披露した。

シーズン再開後は2桁勝利に王手をかけながら4連敗を喫したが、最終戦で今季10勝に到達。1年間ローテーションを守り抜き、規定投球回に到達しての防御率2.90が持つ価値は大きい。

■QS率や被本塁打率は宮城超え

伊藤、宮城、上沢の今季スタッツ

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伊藤の強みはゲームメイク力の高さにある。23先発でクオリティースタート(QS)は17回を記録。QS率73.9%は、宮城(65.2%)をも凌いでいる。また、9イニング当たりの奪三振率(8.69)や被本塁打率(0.49)が証明する通り、大崩れせずにアウトカウントを稼げるスタイルは、首脳陣としても心強かったはずだ。

また、FIP(※1)も2.73と高水準。勝ち星と防御率で伊藤を上回る宮城(2.73)や、日本ハムのエースである上沢直之(2.68)と比較しても遜色ない数値であり、打線の援護にさえ恵まれていれば、12~13勝まで白星を増やしていたはずだ。

伊藤の活躍はリーグ5位に沈んだ日本ハムにとって、数少ない希望の光であった。ビッグボスこと新庄剛志監督の就任でチームには大きな変革の波が訪れているが、上沢と並ぶ主戦投手として、来季の伊藤には更に大きな期待がかかっている。

※1 FIP:Fielding Independent Pitching/野手のプレーが関与しない、被本塁打・奪三振・与四死球の3つの項目で投手を評価する指標

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文・SPREAD編集部