香港国際競走は12日、シャティン競馬場でGI4競走が行われる。今年は日本から大挙12頭が参戦。どのレースにもチャンスのある馬がスタンバイしており、日本馬によるコンプリートも夢ではない布陣となった。
本稿では各レースの有力馬と穴馬をピックアップし、推奨の買い目を公開。ここではラヴズオンリーユー、レイパパレ、ヒシイグアスが参戦する「香港カップ(GI、芝2000m、17時50分発走)」を取り上げる。
◆【香港カップ2021予想/3連単12点勝負の買い目・結論はコチラ】レイパパレに逆転の目あり、海外勢は相手1頭
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■二千巧者のレイパパレに逆転の目
近6年で4勝2着3回3着2回と、日本馬が席巻する香港カップ。今年も強力な日本勢3騎による争いが予想される。
まずは、アメリカ競馬の祭典・ブリーダーズカップを日本馬として初めて制したラヴズオンリーユー(牝5、栗東・矢作芳人)。そのフィリー&メアターフでは、直線で前が壁になりながら、一瞬空いた狭いスペースに飛び込むと、素晴らしい切れ味を見せて半馬身差の快勝。着差以上に強いレースを見せ、海外GI2勝目を飾った。
シャティンは今年4月のクイーンエリザベスII世Cを制しており、すでに馬場への適性は証明済み。今回はアメリカからの遠征となるが、春もドバイから直接香港入りして結果を残しているように、海外を転戦する不安材料はない。
しかし、宿敵は日本馬にあり。距離短縮と展開利からレイパパレ(牝4、栗東・高野友和)をプッシュしたい。芝2200mを走った近3走は、明らかに距離が長く敗れてしまったが、大阪杯までは無傷の6連勝。テン良し、中良し、終い良しのタイプで、自分でレースを作れる点は強みで、番手からでも運べるし、逃げてそのまま、というシーンも考えられる。
ここはラヴズオンリーユーとレイパパレの日本牝馬2頭を中心に馬券を組み立てたい。
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■ヒシイグアスにも復活の材料が揃う
海外勢に目を転じると前走の英チャンピオンS(GI)で2着に食い込んだドバイオナー(セ3、英・W.ハガス)や、愛2000ギニーを制したマックスウィニー(牡3、愛・J.ボルジャー)、ベルモントダービー覇者のボリショイバレエ(牡3、愛・A.オブライエン)など、欧州からの3歳馬が脅威となりそうだが、過去10年、3歳馬は【0-0-0-5】と大苦戦。香港カップで3歳馬にとって古馬の壁は高く、実績上位のドバイオナーまでか。
地元香港勢は中距離路線のエース格は不在で、レーティング上位のカーインスター(セ6、香・A.クルーズ)、パンフィールド(牡5、香・A.ミラード)、グロリアスドラゴン(セ6、香・K.ルイ)などが前哨戦のジョッキークラブCを叩いて、どこまで迫れるかといったところ。しかし、グロリアスドラゴンなどはクイーンエリザベスII世Cでラヴズオンリーユーに完敗しており、すでに勝負付けは済んでいる印象で出番はないと見た。
あくまで日本馬を中心に馬券を組み立てる一戦となりそうだ。そこで日本馬第3の刺客であるヒシイグアス(牡5、美浦・堀宣行)。芝2000mは天皇賞・秋を除けば3戦3勝と絶好の舞台で、前走も長期休養明けながら強敵を相手に掲示板を確保し、叩き2戦目の今回はさらなる上積みも見込める。鞍上のJ.モレイラも魅力的であり、香港競馬を熟知する堀厩舎だけに軽視は禁物だ。
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著者プロフィール
山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。会心の的中はキセキが制した2017年菊花賞の3連単55万9700円。