広島カープは2016年からリーグ3連覇を果たしながら以降3年連続Bクラス、昨年も4位と低迷。原因の一つとして、長打力不足が挙げられる。
リーグ3位の38本塁打を放った鈴木誠也、打率2位の.315をマークした坂倉将吾の活躍が目についたものの、本塁打を20本以上記録したのは鈴木のみ。その鈴木はMLBへの移籍が濃厚となっており、本塁打チーム2位は菊池涼介の16本という寂しい数字だけに、長打力不足解消はチーム浮上への鍵だろう。
いったい、鈴木の穴を埋めるのは、どの選手か、今季の成績を大胆予想した。
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■今季は飛躍のシーズンとなるか
ずばり、広島の長打力不足解消の鍵は、2017年ドラフト1位の中村奨成だ。
中村は2020年に1軍デビューを果たすなど、期待されながらも伸び悩んでいる。ただし、昨シーズンは試合数こそ少ないものの、39試合に出場し、打率.283、2本塁打、「出塁率」と「長打率」を足し合わせた指標であるOPSは.830と数字を残し、一時期はクリーンナップを任されることもあった。
中村は、レギュラー定着を目指したいところだが、本職である捕手には、坂倉、日本代表「侍ジャパン」にも選出された會澤翼などがいるため、厳しい争いが予想される。一方で、昨シーズンは外野で9試合出場。広島の外野は、鈴木と西川龍馬がスタメンとして不動ではあったものの、鈴木が抜けることで実質、2つのポジションが空く算段となる。すると、捕手より外野でのスタメン奪取を目指すほうがより現実的だ。
飛躍のシーズンとしたい中村のポテンシャルを考えると、レギュラー定着が見込めるのであれば、打率.290、25本塁打、85打点の成績も期待できる。昨季の左右別の打率も対右が.278、左が.286と大きな差はないため、左右の投手別で起用が変わることもなさそう。打席ではコース別に、真ん中から外角は3割以上記録しているゾーンが多いが、内角は.091と低打率が目立つ。内角のボールにどう対応できるかも、レギュラー定着と期待の数字を残す上での大きなポイントとなりそうだ。
チームにとっては4番の穴を埋める期待のピース、中村にとっては今後のキャリアを占う大切なシーズンとなりそうだが、果たしていかに。カープ・ファンならずとも、見守りたい期待の存在だ。
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文・SPREAD編集部