今オフシーズンの注目選手として、広島・鈴木誠也外野手は日米でその動向が大きく注目されている。現在カリフォルニア州で行われているMLBのGM会議でも鈴木は現地メディアに注目されており、これまでにシアトル・マリナーズ、ボストン・レッドソックス、テキサス・レンジャーズなどが興味を持っているとも報じられている。
今季打率.317、38本塁打、88打点を記録した打撃だけではなく、守備や走塁面でも評価を得ている鈴木誠だが、ここでは「OPS」に特化した切り口から今オフの顔役となった理由を探りたい。
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■OPSは.900超えで「一流」
OPS(On-base plus slugging)とは、「出塁率」と「長打率」を足し合わせた指標であり、現在では日本でも十分に認知をされているスタッツだ。この数字が高い打者は、打席での得点増加に貢献しているとされ、.900超えで一流、.700台は平均的、.500~.600台は低ランクと分類される。
今季のNPBでOPS.900超えを達成したのは、下記の5選手となっており、鈴木誠の数値が頭一つ飛び抜けていることがわかる。
・鈴木誠也(広島)1.072
・吉田正尚(オリックス).992
・村上宗隆(ヤクルト).974
・杉本裕太郎(オリックス).931
・柳田悠岐(ソフトバンク).929
一方で、MLBでは3倍近い14選手がこの数値を突破し、トップはブライス・ハーパー(フィリーズ)の1.044、次点でブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)の1.002。そして、ア・リーグMVP候補と目されている大谷翔平(エンゼルス)は5番手の.965をマークした。
■ハーパー、ゲレーロJr.をも上回る鈴木誠のOPS
「OPS1.000超え」は、MLBでも今季わずか2選手のみ。日米の違いもあり単純比較はできないが、ハーパーやゲレーロJr.をも上回る鈴木誠の「1.072」というOPSの凄みは十分に伝わるはずだ。MLB関係者からの熱視線のワケも頷ける。
鈴木誠についてはかつての同僚であるジェイ・ジャクソン(ジャイアンツ)も「彼はここに来る必要がある。素晴らしいアスリートであり、素晴らしい男。彼の性格はこちらでもうまくやっていける」とMLBへのアジャストに太鼓判を押している。
果たしてGM会議にあわせて大きな動きが出てくるのか。スタートしたばかりのストーブリーグだが、しばらくは鈴木誠が話題の中心となるはずだ。
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文・SPREAD編集部