アメリカの野球殿堂は25日(日本時間26日)、2022年野球殿堂入り選手を発表、通算541本のホームランを記録したボストン・レッドソックスの元主砲、デービッド・オルティスを選出した。オルティスは、資格取得初年度での殿堂入り。
資格取得から10年が経ち最終年だったロジャー・クレメンス(元ニューヨーク・ヤンキース他)、バリー・ボンズ(元サンフランシスコ・ジャイアンツ)、サミー・ソーサ(元シカゴ・カブス他)は現役時代の薬物使用疑惑などが最後まで影を落とし、規定の得票率75%に届かず、選手としての殿堂入り資格を失った。
■大きな体躯で喜びを表現
オルティスは投票前の下馬評で殿堂入りを有力視されながらも、初年度での選出は難しいのではないかという憶測もあったが、公式サイトMLB.comによると307得票で77.9%を獲得、見事資格初年度で殿堂入りを果たした。
レッドソックスのエースとして活躍したペドロ・マルティネスなどに見守られる中、携帯電話に殿堂入りの報を受けたオルティスは、その知らせを聞くと「Yes!」と立ち上がって絶叫、193cm・115kgの大きな体躯いっぱいに喜びを表現した。
【実際の映像】緊張の表情から一転、満面の笑顔で「Yes!」と絶叫!周りからの拍手と祝福を受けるデービッド・オルティス
ドミニカ共和国出身のオルティスは1997年にミネソタ・ツインズからメジャー・デビュー。2003年にレッドソックス入りすると、その打棒を発揮。「ビッグ・パピ」の愛称でボストンのファンに親しまれ、球団86年ぶりの2004年のワールド・シリーズ制覇、また2007年、2013年の世界一にも貢献した。
2007年は松坂大輔とともに、2013年は上原浩治とともに、それぞれワールド・シリーズを制したことからも日本でも人気で、特に上原がセーブに成功すると、187cmある上原を軽々と抱きかかえて祝福するシーンは日本の野球ファンにもなじみ深い。
殿堂入りの投票は全米野球記者協会在籍10年以上の記者によって行われ、メジャーで10年以上プレー、引退から5年以上が経った選手が対象となる。選出には75%以上の得票率が必要。選考対象は10年。選外となった3選手は、この規定により資格を失った。また、得票率5%未満の場合も資格を失うため、野茂英雄、松井秀喜もすでに対象外となっている。
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文・SPREAD編集部