■その他のチームも圧巻のパフォーマンス
そして、このラウンド6もまた、全チーム本当に素晴らしいナンバーの目白押しだったので触れておきたい。
2位は、クランプとヒップホップを融合した「スワッグバッグ」で、更なるパワーと男気を“突き上げ”て魅了したFULLCAST RAISERZ。僅か0,5ポイント差で惜しくも優勝を逃したが、オーディエンスポイントは満点の20点。変わらぬ人気の強さを見せつけた。3位は、「メタバースからDリーグという現実空間にやってきたアバター集団」をコンセプトに、アンドロイドと人間の狭間にいるものとして、まるでコンピューターで制御されたような斬新かつ緻密な踊りで興奮を誘ったSEGA SAMMY LUX。その場をLUX色に染めてしまう磁場は変わらず圧巻だ。続く4位は、ボリューミー且つ独自の艶やかな世界観をさらに濃厚なものに昇華させ、観る者を惹き付けてやまないBenefit one MONOLIZ。今シーズンからじわじわと上位に食い込むようになってきたので今後の躍進にも注目したい。
そして5位は、太古からダンスが担ってきた人類のプリミティブな衝動を神秘的な儀式に落とし込んだ今回のナンバーはもちろん、毎ラウンド、異なる趣向で劇的な踊りを展開し、存在感をどんどん強くしているLIFULL ALT-RHYTHM。彼らの醸し出す独特の空気は、今後ますます観客を魅了し確実にファンが増えてゆくに違いない。そして6位は、とにかくダンサブルで愉しく、見ている自分も踊りたくなってしまうSEPTENI RAPTURES。ゲストジャッジのSAM氏も「ダンスのストレートさに好感がもてて好きなチーム」と語っていたが、見ていて、なんだか嬉しくなってしまう、楽しくさせてしまうという特徴は、表現者として得難い、とても大事な資質であろう。

LIFULL ALT-RHYTHM(C)D.LEAGUE 21-22
7位はCyberAgent Legit。フォーメーションの展開もよく、ダンスも間違いなく上手いチームだ。だが、文學で言うところのいわゆる「破綻がない」という点がネックなのか、無難に上手くこなし過ぎなのか、今一つ得点に結びつかなかった。だが今後“化ける”可能性を大いに秘めたチームだと感じさせる。そして、いつものアイドル調の甘い可愛さからすこし抜け出し“ロックなアイムーン”を打ち出したUSEN-NEXT I’moonは、いつもより力強く、より弾けた踊りで得意の高いシンクロ率を生かした華麗なナンバーが展開されたが、ジャッジでは「もう少し斬新さが欲しかった」等の評価となり8位となった。

USEN-NEXT I’moon(C)D.LEAGUE 21-22
勝負の世界ゆえ、順位は必ずついて回るのは致し方ないが、観る側にとっては各チームの戦い方も楽しみの一つであり、本当にますます見応えと、心に刺さる余韻の深さ、そして、各ナンバーの強度が増すばかりのDリーグ。今回欠場となったチームは、リーグの規定によりラウンド6では最下位(11位)の扱いとなり、チャンピオンシップポイントは「1ポイント」が付与。そしてオーディエンスポイントは無効票の扱いとなるという。コロナという思わぬ伏兵に苦しむことになった3チームの心境を思うと胸が痛むが、観客は再び全11チームが揃った闘いが観られることを心から願っているはずだ。
厳しい状況化ではあるが、今はまだ12ラウンドの折り返し地点、ここから巻き返すことは十分に可能なタイミングでもある。困難を乗り越え、次回のラウンド7は、再び個性あふれる全11チームの華麗なる闘いが繰り広げられることを神に祈り、時を待ちたい。
◆THE GREAT HEART of“8ROCKS” ブレイキン世界一のISSEI率いる熱き魂
◆日本中の「ダンサー」に幸せをもたらすDリーグ 魂までが踊りだす喜びがここにある
◆″ダンスの救世主″カリスマカンタローかく語りき ダンサーの本質的な幸せと権利
著者プロフィール
Naomi Ogawa Ross●クリエイティブ・ディレクター、ライター
『CREA Traveller』『週刊文春』のファッション&ライフスタイル・ディレクター、『文學界』の文藝編集者など、長年多岐に亘る雑誌メディア業に従事。宮古島ハイビスカス産業や再生可能エネルギー業界のクリエイティブ・ディレクターとしても活躍中。齢3歳で、松竹で歌舞伎プロデューサーをしていた亡父の導きのもと尾上流家元に日舞を習い始めた時からサルサに嵌る現在まで、心の本業はダンサー。










