■普通では考えられない動きこそ“白井が普通ではないスケーター”の証

白井空良/キャブシュガーケーングラインド 撮影:小嶋勝美
個人的には、銅メダルに輝いた白井空良のトリックにとても驚かされた。
まず1本目の1発目にハンドレールで見せたキャバレリアルシュガーケーングラインド。アーリーウープという本来飛びやすい方向とは逆方向に回転しながら飛ぶ事でトリックの難易度は何倍にも膨れ上がるのだが、白井はこの動きを得意としている。そして今回のキャバレリアルシュガーケーングラインドだ。
そもそもハンドレールでシュガーケーングラインドをするだけでもとてもオシャレでカッコ良い技なのだが、フェイキー方向(後ろ向きに)に進みながら空中で360度回転し、レールにシュガーケーンというトリックをメイクした所に、他のスケーターとの次元の違いを感じる。そしてラストトリックで、これまたアーリーウープ回転からのバックサイド180スイッチフロントサイドK(クルックド)グラインド。この普通では考えられない動きこそが、彼が普通のスケーターではない証とも言える。
白井はこのランでフルメイク(ランで全ての技を成功させる事)は出来ずに3位だったが、これをフルメイク出来ていたら優勝も狙えたトリック構成だったように思える。
いずれにしても、世界最高峰のトリックの応酬に鳥肌がたった人は自分だけではないはず。2人の日本のエースはこれからどんな風にスケートボードを進化させていくのだろうか。
■欠場者が相次ぐも〜スケートボードの今を象徴する大会

スケートボード界の大スター、ナイジャ・ヒューストンとシェーン・オニールの写真が入った会場内のポスター 撮影:小嶋勝美
当初出場予定だったナイジャ・ヒューストン(X Games金メダル13個)や東京五輪ストリート金メダリストの西矢椛、同じくパーク男子金メダリストのキーガン・パーマー、パーク女子銅メダリストで日本にもゆかりの深いスカイ・ブラウンなどが欠場。個人的に楽しみであった2021年のスケートオブザイヤー(THRASHERマガジンが毎年発表するスケーターにとって最高峰の称号)マーク・スチュウも気付いたら出場者リストから消えていた。
ゆえに、今のスケートボードの最高峰を競う大会だったとは言えないが、X Gamesの醍醐味である、世界中のトップ選手達が最高のパフォーマンスをし、それを見る側も一緒に楽しむ姿を見る事が出来た。そして何よりスケートボードの“今”を象徴するスケーター達の最高のパフォーマンスを、ここ日本で見る事が出来、本当に感動の3日間であった。
◆【前編】日本のエース堀米雄斗と白井空良の強さの源にある関係性 表彰台独占の裏に見るパイオニア中村貴咲の功績
◆日本初開催、雨の激闘を制した堀米雄斗 一問一答「応援が力になった」
◆【実際の映像】これぞ王者の貫禄…堀米雄斗が日本初開催「X Games」での優勝を決めた圧巻パフォーマンス
■著者プロフィール
小嶋勝美●スケートボードライター
放送作家で元芸人のスケーター。スケートボード歴は一応20年以上。











