ドイツ・ブンデスリーガ1部第5節、アイントラハト・フランクフルトはRBライプツィヒと対戦。昨季4位でドイツカップ王者の強豪をホームに迎えたフランクフルトは日本代表MF鎌田大地がフル出場。自ら先制点を決める大活躍で4-0の快勝に大きく貢献した。鎌田は今季出場した公式戦6試合で5得点目。チームも初のリーグ2連勝となった。
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■先制点含め2得点に絡む活躍に「良いお手本」
前節に続き、[4-2-3-1]の2列目左で先発出場となった鎌田が躍動した。
前半16分、鎌田は攻撃の起点となってパスを裁き、自らはゴール前へ。元ドイツ代表MFマリオ・ゲッツェのクロスをファーポストで構える新加入の長身FWランダル・コロ・ムアニが折り返し、ゴール前まで駆け上がった鎌田がダイビングヘッド。チームに貴重な先制点をもたらした。
その後も鎌田は緩急をつけたドリブルに意外性溢れるパス、味方との流動的なポジションチェンジなどでチームの攻撃を牽引。終了間際には絶妙なスルーパスでPK奪取も演出し、4-0の大勝に大きく貢献した。
試合直後のフラッシュインタビューで、「今季はペナルティエリアに入っていけるシーンが多く、コロ・ムアニとの相性もいい。今はコンディションが良くて、毎試合チャンスがあって得点、アシストができる自信もある」と話した鎌田は、今季ここまでブンデスリーガ4試合出場で3得点2アシスト。2020-2021に記録したドイツでのキャリアハイ5得点を早々と上回る勢いだ。
フランクフルトの地元紙『フランクフルター・ルントシャウ』は、この試合の鎌田を「良いお手本」と評価。「先制点だけでなく、ホームのファンにたくさんのプレゼントとなる妙技を披露した。彼をチームに引き留めたのは、とても素晴らしいことだ」とまとめた。
■ベンフィカ移籍報道も残留
鎌田は今夏を通して移籍騒動の渦中にあった。フランクフルトとの契約が来夏で満了となるため、今夏を移籍のタイミングとする向きが鎌田サイドにもクラブ側にもあったのだ。
そんな中、移籍市場最終盤となる8月末にはポルトガルの名門ベンフィカと個人合意に達したことが、ドイツ『スカイ・スポーツ』やポルトガル『レコルド』などで報じられた。
しかし、4-3と打ち合いを制した前節ブレーメン戦後、フランクフルトのオリヴァー・グラスナー監督は、「試合前、鎌田が我々に忠誠を誓い、安堵した。彼はうちに残る」と鎌田の残留を宣言。その後、移籍市場は9月1日に締め切られ、鎌田のフランクフルト残留が正式に決まった。
そして、その前節のブレーメン戦がターニングポイントとなりそうだ。