【カタールW杯】識者が日本代表GSを展望 決勝T進出へ求められる森保監督の“大胆采配”と絶対的司令塔

日本の司令塔として存在感を高める鎌田大地(C)Getty Images

FIFAワールドカップカタール2022が20日に開幕。4年に1度の祭典は、初の冬季開催となった。

前回はスポーツライターの木崎伸也氏に23日にドイツ戦を迎える日本代表の展望を聞いた。ここではさらに27日にコスタリカ、12月2日にスペインと戦う森保ジャパンがグループリーグを突破するために必要な条件とは…。3試合を通した戦い方のポイントについても聞く。

木崎伸也(きざき・しんや)

●スポーツライター。小説家。漫画原作者

1975年、東京都出身。金子達仁氏主宰の塾を経て、スポーツライターに。2002年にオランダに移住し、03年から6年間ドイツを拠点にして欧州サッカーを取材した。各媒体に寄稿する一方で小説家、漫画原作者としても活動中。著書に『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『直撃 本田圭佑』(文藝春秋)など。漫画『フットボールアルケミスト』(白泉社)が文化庁メディア芸術祭・漫画部門審査委員会推薦作品に選出。

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■攻撃陣のターンオーバー採用

今回のカタールW杯は欧州の主要シーズンを途中で中断しての開催となっており、各国が大会を戦う上でコンディション維持の重要性が求められている。登録メンバーがこれまでの23人から26人まで増え、選手交代も5人まで可能となった。グループリーグを戦っていく日本にとっても、この選手枠と交代人数を有効活用していけるかは、ドイツやスペインといった強国や、コスタリカという難敵を相手にしてポイントとなる。

木崎氏は日本がグループリーグ突破を狙う上で、3試合トータルを考えた選手起用が重要だと指摘する。その中で個々のタレント力で勝り、主導権を握られる展開が予想されるドイツ戦は9月のアメリカ戦のメンバーを中心に据える。そして、「勝とうが負けようが消耗が激しい。ある程度、5、6人のターンオーバーをするんじゃないかと思います」と、コスタリカ戦は疲労度も考慮し、中盤から前線にかけて思い切ったターンオーバーの採用を推奨する。

ドイツ戦で先発起用が予想される前田大然鎌田大地伊東純也久保建英のユニットを総入れ替えし、コスタリカ戦では上田綺世南野拓実堂安律相馬勇紀をそれぞれ配置。「前線の選手は消耗が激しいので、上田選手、相馬選手のようなちょっとタイプの違う選手を入れている」と、相手に合わせた森保監督の人選だと説明する。押し込むことが予想されるコスタリカ戦で、前線で基準になることができる上田や狭い局面でゴールに絡める南野、ゲームを組み立てる能力に長けた堂安に、相手の危険な位置に侵入できる相馬という4人は、ドイツ戦で先発予想の面々とは異なる色が出せるとメリットを挙げる。

■相馬抜擢で三笘はジョーカー待機

また、森保ジャパンで議論の的になってきたのが三笘薫の起用法である。

W杯最終予選のオーストラリア戦では途中出場から2ゴールを挙げ、日本の7回目の本大会行きに貢献。今季から挑戦するプレミアリーグのブライトンでも、リヴァプールやチェルシーといったビッグクラブ相手に物おじしないプレーで評価を高めている。日本屈指の突破力を誇る三笘を先発出場させるか後半に途中出場させるか。この“難問”に対し木崎氏は「悩ましいところ」としつつ、「3試合トータルの疲労度を考えると、ジョーカーに徹した方がすべての試合で三笘選手の良さを利用できる」と、森保一監督が “ジョーカー”として待機させるとみる。

左サイドのMFにはドイツ戦の先発候補である久保に加え、9月の欧州遠征で評価を高めた相馬が26人のメンバー入りした。名古屋グランパスのアタッカーは17日のカナダ戦に先発出場すると、前半8分に柴崎岳のスルーパスから先制点を挙げ、アピールに成功。相馬を2戦目のコスタリカ戦の先発に回すことで、三笘を3試合すべてに切り札として起用可能になる。他のポジション含めて、3試合トータルの疲労度を考慮しながら、ドイツ、コスタリカ、スペインと続く消耗戦を戦っていくとみている。

さらに木崎氏は、負傷でメンバーを外れた中山雄太に代わり“サプライズ選出”となった町野修斗についても言及。「背が高くて両足で正確に蹴れる選手なので、純粋にFWとしての能力に期待」とオフェンス面での戦力としつつ、リード時にセットプレーの守備強化としても期待できると提案する。前回ロシア大会のベルギー戦で長身選手に苦戦を強いられ、カナダ戦でもコーナーキックから失点した日本にとって、背の高い選手への対処は3試合を通してついて回るテーマ。26人に選手枠が増えたことは、チームとしての弱点を埋めることにつながるだろう。


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