■ボランチとして新境地を開拓
総力戦で戦う日本において、個人としてカギを握る選手は誰になるのか。木崎氏は、フランクフルトで好調を維持する鎌田を真っ先に挙げる。
昨季クラブのヨーロッパ・リーグ制覇に貢献した司令塔は、今季さらに飛躍のシーズンを送っており、ブンデスリーガでは自己最多の7得点を記録。また、初挑戦となったチャンピオンズ・リーグでは、日本人初となる3試合連続ゴールをマークするなど、選手として一回り次元の違う選手へと成長している。
鎌田の存在は、森保ジャパンがW杯予選から抱えてきたセットプレー問題の解決にもつながる。今季フランクフルトでは直接FKからゴールを奪う場面が増えており、中心として期待されるW杯でもその精度の高い右足は武器になる。また、そのために良い位置でファウルをもらうことも重要になり、伊東や三笘といったドリブラーの存在もカギを握る。木崎氏は「彼らにただ預けるだけだと厳しいですけど、他の選手が惑わすような動きをすること」と、周りの選手のサポートも大事だと語る。
また、鎌田は今季フランクフルトで[3-4-2-1]のボランチとして新境地を開拓。遠藤と守田を欠いた17日のカナダ戦でも後半途中からボランチ起用がテストされており、強度の高い守備や、ボール奪取からのドリブルやパスで試合を組み立て、オプションとして使えることを証明した。木崎氏は本大会での鎌田は基本トップ下だとしつつ、「ドイツ戦で先発すると思うので、コスタリカ戦でいきなりとかはない。あるとすれば後半で、点がほしい時のボランチかなとは思います」と、鎌田のボランチ起用の可能性について述べている。

日本代表のグループステージの戦い方について語った木崎氏(写真はスクリーンショット)
■スペイン戦へ可能性をつなぐか
日本の決勝トーナメント進出の可能性について木崎氏は、3試合を戦う上で「1試合目にドイツに負けて、まず落ち込みすぎないこと」が大事と語る。そして、「コスタリカ戦は絶対に勝たないといけない」と、勝利を絶対条件に挙げる。また、ドイツとスペインの勝敗も重要だとし、「ドイツがスペインに対して勝ち点で上回る」ことも条件としている。仮に初戦を落としても実力で勝る2試合目で勝ち点3を挙げ、スペイン戦に挑めれば、自力での決勝トーナメント進出の芽は出てくるといえる。
しかし、日本にとってスペインは昨夏の東京五輪で戦い、延長戦の末0-1で敗れた相手でもある。ペドリ、ウナイ・シモン、パウ・トーレスといった選手たちは今回のカタールW杯メンバーにも名を連ねており、日本戦にも出場の可能性はある。木崎氏は「東京五輪の選手たちはスペインに苦手意識を持っている」としながらも、鎌田や守田、伊東といった五輪メンバー外の選手への期待を口にし、「彼らの戦術眼だったりテクニックが加わると、意外といい勝負、もしくは勝利もできる」と、スペイン戦について語っている。
ドイツ、コスタリカ、スペインというW杯の実績で勝る3カ国を相手に挑む日本にとって、グループステージ突破は簡単なタスクではない。下馬評通りの苦戦を強いられて敗退も十分考えられる中で、3試合をどのようにマネージメントして、決勝トーナメントへの道を切り開くのか。森保監督が選んだ26人それぞれが役割を果たし、チームとしての最大値を出すことがベスト16入りへ向けては求められている。
◆【カタールW杯】特集:日本代表の命運はいかに 対戦カード・日程・放送予定・結果一覧
◆久保建英、“日本の至宝”はドイツ戦に向けて視界良好 21歳が挑む自身初の大舞台
◆森保ジャパンの命運をかけた26人、“歴代屈指”の選手層とブンデス勢への期待
取材・文●井本佳孝(SPREAD編集部)










