女子ゴルフの国内第25戦「ニトリレディスゴルフトーナメント」(北海道・小樽カントリー倶楽部/6695ヤード、パー72)が24日、開幕する。
昨季は、プロ通算100試合目となった稲見萌寧が、逆転で自身初の大会連覇を達成した。今季は、その稲見の3連覇なるかが最大の見どころとなる。選手たちは、シーズンきっての難コース「小樽CC」にどう立ち向かうのか。
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■ボギーは1ラウンド1つ以内に
選手たちを待ち受けているのは、海風、洋芝の深いラフ、段があって速いグリーン。この難コースで勝つためには何が必要なのか。
よく言われるのは、ショットを曲げるとボギーの確率が高まるから、フェアウェイキープは絶対ということ。だが、フェアウェイキープ率上位の選手でないと勝てないのかといえば、そんなことはない。フェアウェイを外してもパーオンすれば、スコアをまとめられるホールもあるということだろう。
では、何が鍵になるのか。調べてみると、意外なほどシンプルな回答が得られた。以下は、過去2大会の上位選手のボギー数である。
見ての通り、2大会とも優勝した稲見のボギー数が一番少ない。もちろん、バーディを奪わないと勝てないのだが、それ以上に、難しいホールでいかにボギーを打たないかが重要なのだ。できれば、ボギーは1ラウンド1つ以内に収めたい。それができれば、おのずと優勝も見えてくるといえるだろう。
ボギーをたたかない選手、スタッツでいえばパーセーブ率上位選手ということになる。そこで、過去2シーズンのパーセーブ率上位選手を以下に示した。
案の定というべきか、優勝した稲見は2022年2位、20-21年1位につけている。ちなみに、20年優勝の笹生優花は86.6667%、規定ラウンド数に達していないので順位はないが、数字としては12位に当たる。よって、パーセーブ率上位が望ましいが、本質としては「小樽CC」でいかにボギーをたたかないかが鍵となろう。
では、ここで今季ここまでのパーセーブ率上位選手を確認してみる。
ご覧のように、山下美夢有のパーセーブ率がずぬけている。普通に考えれば、山下が優勝の最有力候補になるが、前週、体調を崩し棄権、今週も欠場となってしまった。
3連覇を狙う稲見はどうかといえば、今季前半戦の体調不良、度重なるスイング改造があり、調子が上がってきたのは「アース・モンダミンカップ」くらいから。前週は初日の出遅れで予選落ちもちらついたが、そこから踏ん張り、33位タイまで上げてきた。
前半戦とは明らかに違う。初日、出遅れなければ、優勝争いに絡んでくるのではないか。
ほかの選手では、藤田さいき、福田真末に注目したい。今季のパーセーブ率はそれぞれ2位、8位につけているが、このままいけば、ともにキャリアハイの数字となる。
あとはパットさえ決まってくれれば、十分戦えるとみている。特に藤田は前週、妹分の蛭田みな美が初優勝を飾ったことも大きな発奮材料となりそうだ。
そして、メルセデス・ランキング1位の申ジエ(韓国)が久々に国内ツアーに戻ってくる。14年、17年と今大会を2度制しており、普通の状態なら上位争いは必至だろう。
このほか、最近好調かつパーセーブ率上位のホステスプロ、小祝さくらと櫻井心那も当然、高いモチベーションで臨んでくるはず。まさに群雄割拠、名勝負の予感が漂う。
初日の注目組だが、午前スタートでは原英莉花、蛭田、稲見のペアリング。10番から8時05分にティーオフする。午後スタートでは、上田桃子、岩井明愛、吉田優利の組み合わせ。12時15分、1番スタートとなる。
■有力選手のペアリング
なお、有力選手の主なペアリングは以下の通り。
10番スタート/7:05/申ジエ(韓国)、堀琴音、大里桃子
10番スタート/7:15/全美貞(韓国)、山内日菜子、吉本ひかる
10番スタート/7:35/青木瀬令奈、阿部未悠、鈴木愛
10番スタート/7:45/馬場咲希(アマチュア)、川﨑春花、藤田さいき
10番スタート/7:55/櫻井心那、佐藤心結、小祝さくら
10番スタート/8:05/原英莉花、蛭田みな美、稲見萌寧
10番スタート/8:15/西郷真央、小滝水音、若林舞衣子
1番スタート/11:15/藤本麻子、新海美優、福田真未
1番スタート/11:55/三ヶ島かな、高橋彩華、佐久間朱莉
1番スタート/12:05/金澤志奈、桑木志帆、安田祐香
1番スタート/12:15/上田桃子、岩井明愛、吉田優利
1番スタート/12:25/菊地絵理香、岩井千怜、神谷そら
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文●河野道久