女子ゴルフの国内第29戦「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」（宮城県・利府ゴルフ倶楽部／6569ヤード、パー72）は24日、最終ラウンドが行われ、岩井明愛が1イーグル、3バーディ、2ボギーの69で回り、通算13アンダーで今季3勝目、通算3勝目を飾った。2週連続の完全優勝は史上4人目の快挙となる。
2打差11アンダー単独2位に西郷真央、4打差9アンダー3位タイに山下美夢有、申ジエ（韓国）ら4人が入った。
◆【実際の映像】岩井明愛、2週連続の完全優勝の瞬間！ 渾身のガッツポーズに観客からは盛大な拍手
■明愛、8番イーグルで流れつかむ
最終組の明愛、安田祐香、西郷は、いずれもバーディが来れば、ボギーも来るというもどかしい序盤となった。
西郷は1番でボギーが先行、以降はパーを続ける。最初のバーディは安田。3番で右手前3メートルを沈めバーディ。しかし、4番でパーオンできずボギー。西郷と明愛は6番でこの日初のバーディ。だが、明愛は7番でティーショットを右バンカーに入れボギー。
続く8番パー5が前半のハイライトになる。明愛は2オンに成功。安田は3打目をピンハイ2メートルにピタリとつける。明愛はピン奥からの長いイーグルパットをねじ込む。安田のバーディパットはカップに蹴られ入らない。このホール、西郷はバーディ。
9番は3選手ともパー。この時点で明愛12アンダー、8アンダー2位タイに安田・西郷に加え、濱田茉優と福田真末の4人。明愛は4打のリードを持って勝負の後半へと向かった。
10番、追いかける側の安田、西郷がともにボギー。一方、ここに来て山下がトップとの差を詰めてくる。6打差4アンダー16位タイから出て、前半2つ伸ばし、後半に入って11番、13番、14番バーディ。3打差9アンダー単独2位に浮上する。
明愛は11番、バーディパットを強気に打って大きくオーバー。3パットのボギーとし、2位との差が詰まる。山下、そして15番バーディの濱田との差は2打に。
順調に伸ばしてきた山下だが、16番でこの日初のボギー。それでも粘る山下は、最終18番をバーディで締めくくり、濱田とともに通算9アンダーで後続を待つ形に。
また、復調してきた尾関彩美悠も順位を上げてくる。5打差5アンダー11位タイから出て、前半3バーディ、後半14番、16番バーディで、9アンダー2位タイまで伸ばした。
最終組は14番パー5、3人ともバーディ。明愛は12アンダー、2位との差を再び3打に広げ、残り5ホール。続く難関15番パー3、明愛はティーショットをグリーン奥にこぼしたものの、ナイスアプローチからパーセーブ。優勝が大きく近いてくる。
明愛は16番、勝負を決定付けるパットを決める。ピン手前約8メートルを真ん中から放り込んで13アンダー、リードは4打で残り2ホール。秒読み段階となる。
18番パー5、最後にギャラリーを沸かせたのが西郷。2打目がカップをかすめ、あわやアルバトロスというスーパーショット。そして、グリーン奥カラーからのイーグルパット、これを見事に沈め、11アンダー単独2位を奪取してフィニッシュした。
明愛は2打目をガードバンカーに入れたが、アプローチから2パットのパーでまとめ、右こぶしを2度掲げるガッツポーズ。出迎えた妹・千怜と笑顔でがっちり握手を交わした。
前週、苦しみながら勝ち切ったことで、明愛は明らかに成長した。今週の優勝が必然だったとさえ感じさせるほどだ。今後、本格的な“明愛時代”が到来するかもしれない。
■主な上位選手最終成績
上位選手の主な最終成績は以下の通り。
優勝／13アンダー／岩井明愛
2位／11アンダー／西郷真央
3位タイ／9アンダー／濱田茉優、山下美夢有、尾関彩美悠、申ジエ
7位タイ／8アンダー／宮澤美咲、上田桃子、穴井詩、竹田麗央
11位タイ／7アンダー／勝みなみ、蛭田みな美、安田祐香
櫻井心那、ささきしょうこ、仁井優花、稲見萌寧、福田真未は6アンダー14位タイ。川岸史果は5アンダー19位タイ。永井花奈、岩井千怜、青木瀬令奈は4アンダー21位タイに終わった。
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文●河野道久
