5日、大井競馬場で“ダート3冠”の頂上決戦、第70回東京ダービー(JpnI、ダ2000m)が行われる。
昨年までは、南関東の3歳三冠路線の2冠目として行われてきた当レース。今年からダート競走の体系整備により、中央交流のJpnIとして生まれ変わった。中央馬が4頭、地方馬が12頭の16頭立てで争われる南関東の“ダービー”から、全国の“ダービー”へ新たに位置づけられた一戦。その結末を予想する。
◆【東京ダービー2024予想/買い目】3連単10~70万馬券が過去10回中6回発生 ヒモ荒れ注視の「3連単20点勝負」
■紅一点のアンモシエラに大崩れなし
ダート3冠競走の1冠目羽田盃は、8頭立てと少々寂しい顔ぶれだったが、今回はフルゲートで争われ、頂上決戦にふさわしく頭数が揃った。とはいえ、わずか4頭の参戦ながら、中央馬と地方馬の実力差は大きい印象で、中央馬を中心に考えざるを得ないだろう。
そんな中、羽田盃では2着に敗れたアンモシエラが、今回はリベンジを果たす番と見る。その前走は、激しい先行争いを制してハイペースの逃げ。4コーナーでは後続を引き離し、逃げ切り体勢に持ち込んだが、アマンテビアンコの強襲に遭い、1馬身差及ばなかった。
そのライバルが出走を回避したことは好材料。未対戦となる中央のライバル・ユニコーンS組との力関係がカギを握りそうだが、こちらは大井で2戦走って好走しており、コース適性には一日の長がある。加えてナイター競馬にも対応済みと、その点はアドバンテージだ。
馬場状態も不問で、逃げなくても好位からレースが運べるし、折り合い面の難しさもなさそうで、距離延長は問題ないだろう。過去69回の東京ダービーで、牝馬の優勝はわずか3例しかないが、斤量面の恩恵を考えればむしろプラス材料。近年は500kg未満の小柄なタイプが馬券圏内に好走する確率が高く、大崩れは考えにくい。
■ユニコーンS組も勝ち負けできる存在
おそらく1番人気に支持されるのが、ユニコーンSを制したラムジェット。その前走は、ヒヤシンスSなどの勝ちっぷりから左回りのマイル戦あたりがベターな条件と考えられ、京都のダ1900mではどうか、と半信半疑に思われていたが、ふたを開けてみれば外々を回って突き抜け、最後は流す余裕を見せる完勝劇。右回り、コーナー4つのコースへの対応力も見せつけた。
デビュー3戦目に大敗したオキザリス賞を除き、すべて上がり最速の切れ味はスケール十分。あとは、京都よりもコーナーがきつくなる大井で、距離損なく外を回ってこられるか。あまり後方に位置しすぎると、多頭数でさばきにくくなるので、位置取りがカギを握ることになるだろう。
ユニコーンSで2着に敗れたサトノエピックも走破圏の1頭。当初は除外対象馬だったが、アマンテビアンコの回避により、無事に駒を進めることができた運も持ち合わせている。
前走はラムジェットに完敗の形だが、4コーナーで窮屈になるなど、スムーズに運べなかった面があり、勝ち馬と一緒に上がることができれば、また違った結果になっていた可能性は高い。ダートでは2勝2着1回と底を見せておらず、中距離戦を中心に、東京、中山、京都と、コースを問わず結果を残せているので、初の大井でも対応可能だろう。
中央勢の3頭、アンモシエラ、ラムジェット、サトノエピックのいずれかが勝つのでは、という公算大だが、3頭ですんなり決まる、とも思えない。