6日からハワイ州のホアカレイCCで、ロッテ選手権が開催される。同じくハワイ州のコオリナCCでの開催となった第1回大会の優勝者は宮里藍だった。2位タイには韓国のミーナ・リー。
日韓の選手が初開催時に活躍したわけだが、同コースで開催されるようになった22年大会からは、日韓を含めたアジア勢が上位を独占し、相性の良さがより色濃く出ている。
今回、日本からは原英莉花も参戦。来季から米ツアー挑戦を目指していることもあり、アジア人選手と好相性のこの大会で、今後に向けた手ごたえを掴んでおきたいところだ。
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■アジア人選手が活躍
日本と韓国に根ざした企業「ロッテ」が開催するロッテ選手権は、ホアカレイCCを舞台とするようになってから、日韓中、アジア人選手が活躍している。
22年大会は、優勝が韓国のキム・ヒョージュ、2位が日本の渋野日向子、3位が韓国のチェ・ヘジン。23年大会は、優勝がオーストラリア国籍で両親が韓国人のグレース・キム、2位が中国のリウ・ユ、3位が韓国のソン・ユジンだった。
原は、今回のスポット参戦で好感触を得ることができれば、最終予選会に自信を持って臨めるだろう。ホアカレイCCでの渋野やアジア勢の実績を、好材料ととらえたい。
■初の米ツアー最終予選会
10月に開催された米ツアー2次予選会を突破した原。昨年は通過圏内にいながら第3ラウンド終了時のスコアカード誤記により失格となったが、今回は無事、12月に開催される最終予選会に駒を進めた。
原は、日本ツアー今季序盤は予選落ちが目立つなど成績が不安定だったが、中盤からは安定。6月の大会から12戦連続で予選を通過している。先週の日米共催、TOTOジャパンクラシックは34位タイだった。
最終予選会には、原のように2次予選会を突破してきた選手だけでなく、山下美夢有や岩井明愛、千怜姉妹ら、日本からのライバルも加わる。さらに、今季米ツアー主戦場にしながら、来季のシード権を獲得できなかった選手も加わってくる。
最終予選会で米ツアー切符が与えられるのは25位まで。原は良い状態でなければクリアできないのではないだろうか。2次予選会は通過したとはいえ、カットラインまで2打だった。4日間で3打悪ければ、最終予選会に進めていなかった。
初日は通過圏外の72位タイスタート。2次だったことで、平常心を保ち、残りの3日間を戦えた面があるだろうが、最終予選ともなるとそうはいかないかもしれない。最終予選会は5日間90ホールあるとはいえ、1日目からそつなくプレーする必要があるだろう。
■要ショット精度向上
原といえば豪快なドライバーショットだが、ショットは飛距離だけでなく精度も高い。今季現時点では、トータルドライビングが10位、パーオン率が11位、ボールストライキングが9位だ。
ただ、昨季はトータルドライビングが3位、パーオン率が3位、ボールストライキングが1位、だったことを考えると、今季のスタッツは少し物足りないかもしれない。TOTOジャパンクラシックのパーオン率は50位タイだった。元々課題を抱えているパットも気になるところではあるが、ショットを本来の状態に仕上げる必要がありそうだ。
■昨年大会は23位タイ
原の今季の米ツアー出場は2回で、ホンダLPGAタイランドが16位タイ、スコットランド女子オープンが予選落ちだった。ロッテ選手権は昨年大会にも出場し、23位タイとまずまずの成績。原本人も同大会やコースに対するイメージは悪くないのではないだろうか。
米ツアーではすでに、渋野や畑岡奈紗、勝みなみといった、同じ黄金世代のメンバーが戦っている。同じ舞台に立てるかどうかは、ここから先約1カ月間の調整に懸かっている。
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著者プロフィール
野洲明●ゴルフ活動家
各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。