今週はサマースプリントシリーズの第2戦、第61回北九州記念(GIII、芝1200m)が小倉競馬場で行われる。
今年は、葵Sを制した唯一の3歳馬デアヴェローチェや、鞍馬Sでレコード勝ちを決めたフリッカージャブに、同2着のアンクルクロス、昨年の北九州記念を制したヤマニンアルリフラに、同2着ヨシノイースター、同3着アブキールベイと上位3頭が揃い踏み。そのほか、上がり馬サウンドモリアーナ、アメリカンビキニなど、ハンデ戦も相まって、少頭数ながら実力伯仲の混戦模様だ。
そんな中、重賞初制覇を狙うフリッカージャブが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■上位人気、斤量増の重ハンデは信頼度低
フリッカージャブは初勝利こそダート戦だったが、昨年から芝1200mを使うようになると素質が開眼。1勝クラスから3連勝でオープン入りを決めると、今年初戦のオーシャンSこそ6着に敗れたが、前走の鞍馬Sでは、1分6秒4のレコードタイムで快勝。逃げて良し、控えて良しとレースセンスも高く、スプリント界の新生として期待が高まっている。
北九州記念は一昨年から開催時期が繰り上げられたが、ハンデ戦らしく、波乱含みのレース傾向に変わりはない。過去10年の単勝人気別成績では、1番人気が【1.3.1.5】、2番人気が【0.0.1.9】の成績で、昨年こそ、ヤマニンアルリフラが1番人気で勝利したが、それ以前は2009~24年まで16連敗と信頼度は低い。
加えて1~2番人気の牡馬に限ると【1.0.0.7】の成績で、昨年のヤマニンアルリフラを除くと完敗。フリッカージャブは、前走のパフォーマンスなどで、1~2人気に支持されることが濃厚だが、頭勝負するにはやや心許ないデータだ。
それは斤量面にも当てはまる。フリッカージャブは57.5キロに設定されたが、昨年の覇者で重賞常連のヤマニンアルリフラと同斤量となり、重賞2戦目の同馬は、いかにも見込まれた印象がある。過去10年の北九州記念で、57.5キロ以上の馬は【0.1.0.9】の成績で、重ハンデ馬の好走歴が少ないのも気にかかる材料。やはり、今年も軽ハンデ馬の台頭を許す可能性は高い。
また、フリッカージャブは前走からも0.5キロ斤量増となるが、前走がオープン・L競走を使って、今回斤量増となるパターンは、過去10年で【0.1.1.4】と勝ち切れていない。フリッカージャブとかなり酷似している例として、2019年ミラアイトーンは、鞍馬S1着→0.5キロ増で北九州記念1番人気5着に敗退している。果たして、二の舞とならなければ良いのだが。
■脚質は前有利も人気馬には厳しく…
脚質的には、逃げ馬が過去10年で【2.1.1.6】の成績で、同時期に小倉で開催された2021~22年CBC賞も逃げ馬が2勝しており、小回り平坦コースらしく、前に行ける脚質を持ち合わせているフリッカージャブにとっては有利な一戦。しかし、勝ち馬は3、5番人気と伏兵馬によるもので、1~2番人気で逃げた馬は【0.1.1.2】と、取りこぼすケースがほとんど。マークが厳しくなる人気馬になると、そう簡単には逃がしてもらえない可能性大だ。
昨夏に小倉芝1200mで2勝。前走京都での快勝や、中山のオーシャンSでの敗戦も考慮すると、おそらく直線で坂のない平坦コースは得意なフリッカージャブ。高速馬場でタイムも出やすい時期だけに、持ち時計がある点も有利と見て、上位人気で期待を集めることになるだろうが、前記で示した点を踏まえると、過剰な人気ほどの信頼度は低く、妙味を考慮すると、少なくとも「頭」勝負は避けたい。
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。
















