【競馬】有馬記念 グランプリ連覇狙うクロノジェネシスら有力馬追い切りジャッジ&狙える穴馬プラスワン!

先週の朝日杯フューチュリティSは“2歳馬離れした貫禄”として「S」評価を下したステラヴェローチェが2着。勝ったのはこの欄で取り上げませんでしたが、調教でいい動きを見せていたグレナディアガーズでしたね。「プラスワン!」としたご紹介したロードマックス(11番人気)はスタートで大きく出遅れる不利がありながら、3着に0秒2差の6着と健闘。来期の飛躍に期待です。

さて今週は激動の2020年の掉尾を飾るグランプリ「有馬記念」が開催! この一戦の有力馬について、中間調整と最終追い切りのジャッジをお届けします。最後には「プラスワン」として調整面から狙える穴馬もご紹介。

みなさまの重賞攻略のお役に立てば幸いです。どうぞご参考になさってください。

■クロノジェネシス

【中間調整】馬体重こそ変化はなかったものの、前走の天皇賞・秋は若干だけ余裕を残したかな、という仕上げ。スタート直後にゴチャつく不利もあったがアーモンドアイに半馬身+クビ差の3着に押し上げ、地力の高さをアピールした。その後は予定通り有馬記念を見据えて短期放牧に出され、12月3日に栗東へ戻っている。6日に帰厩後の初時計としてコースで14-14を消化。以降、CWコースで折り合い重視、終い重点といういつも通りの調整をこなせている。中7週とこの馬にしてはタイトな間隔を考慮してか、2週前追いは併せ馬ではなく単走。このパターン自体は宝塚記念時と同じで問題はないだろう。1週前追いが中間初の併せ馬でその分やや力みがあったが、鞍上がなんなく制御している。

【最終追い切り】北村友騎手が騎乗し、栗東CWコースで併せ馬。オープン馬リュヌルージュを10馬身ほど先の目標として行かせていたが、ある程度距離があったことからエキサイトせず、リズム良く走れていた。インへ切れ込み併走に持ち込んでからも自身のリズムを崩さない。並ばれた相手もオープン馬なのだが、まさに子供扱いだった。ちょっとでも促せば、一気に突き放せそうな雰囲気。

【見解】間隔が詰まっているあたりがどうかだが、目下まだまだ成長中といった感があり以前より回復に要する期間は必要ないのかもしれない。このローテでも、もう大丈夫だろう。中間は折り合い、我慢といった精神面の研ぎ澄ましに注力できたのは大きい。初の中山芝2500m戦でも持てる力をフルに出せる。

総合評価「S」

■フィエールマン

【中間調整】熱発があり、本来復帰戦に予定していたオールカマーを回避。前走の天皇賞・秋が半年ぶりのぶっつけだった。攻めも手緩い感はあったが、蓋を開けてみるとアーモンドアイ以上の末脚を繰り出し半馬身差2着。ポテンシャルは底知れない。さすがに反動は出たようだが、短期放牧から予定通り12月4日に美浦へ帰厩。6日に坂路15-15で息を整え、9日にはウッドコースで素軽い伸びを見せた。ある程度のレベルまで回復していると見ていいだろう。1週前は併せ馬の予定が相手が大きく遅れ、単走の形となる誤算はあったが時計そのものは速く、それなりの負荷が掛かっていた。

【最終追い切り】嶋田騎手が3週連続で騎乗。ウッドコースでやり過ぎないよう、絶妙なさじ加減で単走の追い切りが行われた。全体時計は1週前追いからは見劣るが、これで問題なし。ラストまでいい手応えのままスムーズに走りきっている。【見解】

【見解】クロノジェネシス以上に間隔を大きく取って実績を積んできた馬。前走の走りで反動が出たこともあり、本来ならもっと間隔を取りたかったところだ。調教の動きはさすがの迫力だが1週前に併せ馬にならなかった分、最終追いで取り戻しに行かず単走での追い切りを選択したあたりも余力という面で若干の懸念は拭えない。前走がまさにそうだったように、稽古が良くも悪くもアテにならないタイプではあるが、万全とまでは言い切れないところだ。

総合評価「B」

■ラッキーライラック

【中間調整】レース当週に猛時計を出し、ほぼメイチに仕上げたと思われるエリザベス女王杯で優勝。そのレースで引退との観測もあり、大接戦だったことも含め余力はないかとも思われたが、この有馬記念をあらためてラストランに設定し臨んでくる。放牧先から12月2日に栗東へ戻り、6日にコースで終い1F13秒0とある程度伸ばされた。1週前追いではテンからガッツリ飛ばすこの馬らしい稽古を消化できており、まだ戦う力は残っているといった雰囲気。

【最終追い切り】初コンビとなる福永騎手を背に栗東CWで単走。序盤は折り合いに専念し、福永騎手がこの馬の感触をじっくり確かめた。ある程度手の内に入れてからギアアップ。やや硬さを感じさせたが許容範囲。首を低くしていい前進気勢を見せ、力強い伸びを見せた。

【見解】いつも稽古でよく見せるタイプで現役最後の調教も、ほぼ申し分なしだ。ただし強い負荷を掛けられた1週前追いで、いつもなら止まらず最後まで伸び切れる馬が若干止まり気味だったこと、そして最終追いでも許容範囲とは書いたがノメったり、反応に硬さがあったりとスムーズさを欠いたあたりがどうか。恥ずかしくない走りはできそうだが、キンキンの仕上げだった前走ほどの状態ではない。

総合評価「B」

■プラスワン! サラキア

【中間調整】府中牝馬Sからの好調を持続させ、エリザベス女王杯ではクビ差2着。そこから放牧に出され12月9日に帰厩している。中間の初時計だった13日の坂路追いでさっそくスパッと切れており、秋2戦好走したダメージからはしっかり回復を果たしたよう。松山騎手が騎乗した1週前のコース追いでは単走とは思えない気迫を見せ、テンよし終いよしの好時計をマークしている。

【最終追い切り】最終追いはこれまでのパターンを踏襲し、坂路で単走・馬なり。余計な心理的負荷を避け、騎手ではなく助手騎乗で行ったのもここ数戦と同じだ。抑え切れない行きっぷりで進み、ラストでは巧みに手前とギアを替えて目を見張る伸びを見せている。

【見解】そこまでガサのない馬だが、この中間を含め秋に見せている動きはつらつそのもので充実ぶりが著しい。内臓面が強くなり、ダメージからの回復がより早く進む体質に変貌を果たしたようだ。1週前、そして先週の動きは申し分なしでとくにギア、手前といった部分の進境が感じられる。“トリッキー”とされる中山を走るにあたっては、心強いところだ。

総合評価「A」

著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター

競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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