■鋭い視点で周囲が着目しない記録も掘り起こし

日本プロ野球に「セーブ」記録が生まれたのも宇佐美氏の功績だ。

かねてよりセーブ記録に着目していた氏は、MLBを参考に日本独自のセーブに関するルールを考案。日本プロ野球において「セーブ」が74年に公式記録となる契機を作った。

周囲が着目しない記録を掘り起こす鋭い視点にも卓越しており、74年にセーブ記録が制定されて以降、江夏豊投手の「公式」セーブ記録は「193」であるが、制定以前の記録と合わせると「258」であると調査した実績もある。

この記録を、現在の通算セーブ記録に当てはめると、1位の岩瀬仁紀(382セーブ/中日 ※記録は2013年シーズン終了時点)、2位の高津臣吾(286セーブ/元ヤクルト)に次ぎ、先日、野球殿堂入りした佐々木の252セーブ(日米通算は381)を抜き、通算セーブ数3位に相当する。つまり江夏が、「206勝・258セーブ」の不世出の大投手である事実が明らかになるのだ。

さらに氏の哲学は、数字上で従来の記録を上回っても内実が伴わない記録、作為的に狙って作られた記録に常に批判的であり、自チーム選手にタイトルを取らせるための相手選手への敬遠などは言語道断と痛烈に非難した。