【競馬】「弥生賞」ダノンザキッドの相手探し、“重賞初出走“の伏兵2頭に警戒

正式名称を「弥生賞ディープインパクト記念」とした昨年は、鞍上・武豊でディープインパクト産駒のサトノフラッグが勝利。同馬はその後、春クラシック戦線では結果を出せなかったが、過去にはワグネリアン(2018年弥生賞2着)、マカヒキ(2016年同1着)、ワンアンドオンリー(2014年同2着)など多くのダービー馬を輩出しており、いわゆる「出世レース」と言えるのが弥生賞だ。

今年は、昨年のホープフルSを制した最優秀2歳牡馬・ダノンザキッドが始動。重賞ウイナーが同馬のみで、2戦2勝の外国産馬・シュネルマイスターが2番手評価という1強ムードだ。馬券的にはダノンザキッドを軸に“ヒモ荒れ”を狙いやすいレースと言える。

◆ダノンザキッドを後押しする馬券内率100%、タイムトゥヘヴンの鬼門は馬券内率ゼロの前走逃げ脚質

■今年はダノンザキッド“1強”と見るべき

まずダノンザキッドについて。新馬勝ち後の東京スポーツ杯2歳Sでは、ノーステッキで2着以下に1馬身1/4差の快勝。続くGI・ホープフルSも好位から悠々と抜け出し、ここも1馬身1/4差で完勝と言えるレースを見せた。

道中力みながら走る面はあるが、好位から直線もグイグイと脚を伸ばすスピード感は、同じ冠名、同じ鞍上のダノンプレミアムを彷彿とさせる。同世代の中では完成度が非常に高く、クラシックディスタンスの日本ダービーまでは主役を張れる存在だ。

しかも、東京スポーツ杯2歳Sはラスト3F11.9-11.0-11.4、ホープフルSはラスト3F12.0-12.2-12.6と、高速決着にも持久力勝負にも対応しており、死角が見当たらない。

唯一の不安点は、本番を見据えたトライアルである点だが、追い切りの内容からは久々を感じさせない動きを見せており、その点は払拭できる。

ここはやはり、ダノンザキッド“1強”と見るべきだろう。

■シュネルマイスターは馬券圏外も想定

問題は相手選び。2番人気になるであろうシュネルマイスターの評価が、今回のテーマとなる。

昨夏、札幌芝1500mの新馬戦は、道中中団から3~4コーナーを外からマクリ気味に進出し、押し切りV。続くひいらぎ賞では新馬戦よりじっくり構える競馬で、4角は馬群の中。残り200mから一気に弾け、最後は流しながら2着以下に3馬身差の圧勝を飾った。

追い出しからエンジン点火まで、まだ若干反応は鈍いが、その点からスピード一辺倒のマイラーではないことがうかがえる。加えてひいらぎ賞のラスト3F12.4-11.7-11.8と、中山の坂で脚が衰えていないのは秀逸で、重賞級なのは間違いない。

とはいえ、弥生賞は例年、芝2000mで勝ち時計2分以上を要するタフな競馬。近2年は道悪のため参考外だが、良馬場で行われた2018年を見ると、マイル~中距離適性のあるダノンプレミアムが1着、後に日本ダービーを制したワグネリアンが2着、3着にデイリー杯2歳S勝ちのジャンダルムと、ここでようやくマイラーが入った。

そもそも、弥生賞→皐月賞の連勝を飾った例は、2010年のヴィクトワールピサまで遡らなければならず、弥生賞≠皐月賞という背景が見て取れる。

同じ中山芝2000mでも、勝ち時計が2分以上を要する弥生賞と、良馬場であれば1分57秒台に突入する皐月賞。弥生賞の勝ち馬に、皐月賞馬が少なくダービー馬が多い理由はここにある。

同世代では中距離まで対応できそうなシュネルマイスターではあるが、芝2000m以上のタフな競馬を強いられる弥生賞への適性は未知数。すなわち、人気を下回る3着以下も十分に考えられるというのが結論だ。

馬券的には、ダノンザキッドシュネルマイスターの軸2頭ではなく、シュネルマイスターの馬券圏外も想定した組み立てで攻めてみたい。

■同コースの京成杯組より狙うべき伏兵

弥生賞の過去データを紐解くと、前走、同コースの中山芝2000mの馬が不振という数字がある。

▼[過去10年]前走・中山芝2000m
トータル 【1-1-6-22】
 └1勝クラス 【1-0-0-0】
 └ホープフルS 【0-1-3-8】
 └京成杯 【0-0-3-6】
 └寒竹賞 【0-0-0-3】
 └未勝利 【0-0-0-2】
 └葉牡丹賞 【0-0-0-3】
※ホープフルSはGI昇格後に限れば【0-1-3-3】

いかに弥生賞が特殊な競馬かが見て取れるデータで、とくにGIII・京成杯が【0-0-3-6】と、同コースの重賞にもかかわらず結果が伴っていない。このなかには、2019年ラストドラフトの2番人気7着、2017年コマノインパルスの3番人気6着、2014年キングオブザサンの3番人気5着と、上位人気で馬券圏外の馬が含まれている。

今年も京成杯2着のタイムトゥヘヴン、同3着のテンバガーが参戦。メンバーレベルから2頭は抑えるべきではあるが、さらに注目すべきは別路線組にいる。

ゴールデンシロップは未勝利を勝ち上がったばかりだが、その前走の東京芝1800m1分46秒7は、同日の共同通信杯エフフォーリアが計時した勝ち時計1分47秒6を上回った。530キロ前後の大型馬だが、中山コースにも対応できる立ち回りのうまさがある。

もう1頭、同じく未勝利勝ちのソーヴァリアントは、2戦目に禁止薬物検出で1位入線失格とミソは付いたが、4戦目で初勝利。レースを走るたびに良化し、前走は課題のゲートを出て2番手追走から後続の猛追を楽に振り切った。良馬場の東京芝2000mで取りこぼし、不良馬場の中山芝2200mで初勝利と、タフな競馬はおあつらえ向きだ。

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著者プロフィール

山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
アスリートの素顔を伝えるメディア『SPREAD』の編集長。旅行・アウトドア雑誌のライターを経て、競馬月刊誌「UMAJIN」の編集長として競馬業界へ。その後、Neo Sports社にて、「B.LEAGUE」「PGA」「RIZIN」等のスポーツ×ゲーミフィケーション事業に携わり、現在に至る。競馬は、1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、盲点となる穴馬の発掘を追求し続けている。

twitterアカウントはこちら⇒『SPREAD』編集長・山田


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