【桜花賞/追い切りジャッジ】サトノレイナスはソダシを上回る「S」評価

先週の大阪杯。逃げ切って4馬身差Vを果たしたのは、それまで無敗の5連勝で来ていたレイパパレでした。中16週を考えればトレセンでの時計本数の絶対量が不足していたように思え、調教面からは大きく推せない1頭でしたが、細身の牝馬のどこにそんなパワーが……と言いたくなる力強い勝ちっぷりでしたね。こういう馬でも調整面からいいところを探せるよう、今後も勉強あるのみです。

さて今週はついに開幕する2021年クラシック。その初戦、桜花賞で有力視される馬の中間調整と最終追い切りのジャッジをお届けします。最後には「プラスワン!」として調整面から狙える穴馬もご紹介。

どうぞご参考になさってください。

◆【データ分析】白毛馬ソダシの「0%」とサトノレイナスの「100%」、人気馬2頭のデータに明暗

■ソダシ

【中間調整】前走・阪神JFでは好位で巧みに立ち回り、直線では馬群のなかから抜け出す。ゴール手前で2着馬、3着馬に際どく迫られたが、なんとか凌ぎ切って無敗4連勝でのGI制覇を果たした。その後、桜花賞への直行は予定通り。放牧先のノーザンファームしがらきから2月2日に栗東へ戻り、この厩舎らしく、時間を掛けた丹念な調教が施されてきた。2月中は坂路14-14と15-15を交互にこなし、心肺と気持ちを段階的に練り上げる。3月に入ってからは実戦を意識させるように時計を詰め、併せ馬でも骨っぽい相手と走らせ闘志の涵養に取り組んできた。1週前追いは先に見た同厩舎別組の3頭を我関せずと抜き去り、ラストで気を抜かないよう追われると1F11秒8(一杯)をマーク。ラスト1Fとしては過去最速の数字だ。

【最終追い切り】1週前にド迫力の稽古をこなしており、最終追いは坂路馬なりで鞍上・吉田隼人騎手と息を合わせる程度という、いつも通りの内容。3歳1勝クラスを楽に追い詰め、スッと追い抜く。抜け出したあともフワりとせず、力強さをしっかり維持できていたのは好感。

【見解】長期間の鍛錬に耐えられる心身の頑健さが売りの馬で、帰厩以来ノートラブルで丹念な調整が施されている。過去2走時は中間にウッドコース追い3本を消化していたが、今回は1本のみ。しかしこれは脚元の弱さ云々ではなく、基礎鍛錬の部分が既に不要なレベルにあり、坂路でバランス、スピード、反応の磨き上げに注力したかったと見るべきだろう。脚元、体調になんら不安がないのはこれまでの調教量と、1週前の負荷で証明済み。2歳女王にふさわしい走りができそうな態勢。

総合評価「A」

■サトノレイナス

【中間調整】馬なりオンリーでいささか手緩い仕上げだった印象の前走・阪神JFだったが、レースでは直線半ばから鋭く伸びソダシにハナ差まで迫る2着と健闘した。その後、成長優先で放牧。皐月賞にもクラシック登録をしていたが、阪神JFでの惜敗の借りを返すべく桜花賞への直行が1月下旬に陣営から表明された。ノーザンファーム天栄から3月10日に美浦へ帰厩。初時計だった14日の併せ馬でさっそく追走併入し、17日には僚馬アカイトリノムスメにあっさり追いつく動きを見せた。以前より楽で伸びやかなアクションで速い時計を出せたあたり、放牧で緩んだどころか肉体面の強化と、反応面の向上が著しい。C.ルメール騎手が状態を確かめた1週前追いでは5F全体64秒4、ラスト3F36秒1を馬なりでマーク。3頭併せの最内で気合いを溜め、それを解放されると一気に弾けさせていた。

【最終追い切り】先週に速い時計を出しており、これでほぼ仕上げは完了。今週は、鞍上C.ルメール騎手との意思疎通を深める程度の内容となった。先行した相手にあっさり取り付くと、促されればいつでも抜け出せる手応えのまま併入している。オーバーワークを避け、鞍上のアクションは僅かだったが、それでもゴール前の伸びは威力満点。

【見解】牧場での休養効果と乗り込みで、身体面はしっかり成長。前向きがあり以前から速い時計で走れていた馬だが、終い重点で5F64秒4を出せるあたり、パワーアップぶりは著しい。牧場であらかた出来上がっていた身体面をダメ押しのように向上できたようだし、精神面の研ぎ澄ましも順調に進んでいる。態勢に抜かりはなく、絶好の状態だ。リベンジ必至。

総合評価「S」

■アカイトリノムスメ

【中間調整】3カ月ぶりだった前走・クイーンCは早めに抜け出す正攻法。後続の目標にされたが、渋太く凌いで重賞初制覇を果たした。その後はアパパネとの母仔制覇を狙い、桜花賞直行が決定。放牧には出さず、在厩で調整されている。当初は運動程度で回復に努め、中間の初時計は3月10日、ウッドコース。3F38秒4-1F12秒0(馬なり)と素軽く動き、後ろから来た未勝利馬を“おいでおいで”の手応えで迎え入れた。以降、ウッドコースでの併せ馬で調整。馬なりメインで肉体的な練度アップと言うよりは、持ち前の競馬センスをさらに向上させようという意図か。1週前のウッドコースには横山武史騎手が騎乗し、3歳未勝利馬を追走。ややもっさりしていたが、見せムチで一気に気持ちを乗せ先行馬と併入に持ち込んでいる。

【最終追い切り】レース当週ということで、テンションが上がらないよう、ジョッキーではなく助手が騎乗し美浦ウッドで併せ馬。リズム重視で進み、ジワッと先行馬に取り付くと相手に気を取られることなくブレずに走り切って併入に持ち込んでいる。派手さはないが高いレベルで落ち着いており、ゴール手前はいつでも抜け出せる勢いにあった。

【見解】落ち着き、そして鞍上の指示を待てるセンスはさすが良血馬。本数は申し分なく体調は安定と見ていいだろう。しかし成長ぶりがそこまでではないのか、攻めの強度にそこまでのインパクトがなかったあたりは若干気になるところ。攻めを強化し、体の完成度を高めるのは今後の課題ということだろう。その分、操縦性やセンスの部分をしっかり磨いており、勝負になるレベルにはある。

総合評価「B」


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