【ダンス】日本発世界初のDリーグ ファーストシーズンの熱き闘いは“第三コーナー”に突入!

新木場スタジオコーストで行われたDリーグ・8ラウンド(C)D.LEAGUE 20-21

今年の1月20日にスタートを切った日本発・世界初のプロフェッショナル・ダンスリーグ「Dリーグ」のファーストシーズンは早くもレギュラーシーズンの12ラウンド中8ラウンドを終了した。1月の開幕戦はコロナ禍の非常事態宣言で無観客の開催となったが、4月20日に新木場スタジオコーストで行われた8ラウンドでは、限定的ではあるがアリーナに観客が入り、報道陣はスタンドでの観戦が許された。いよいよ大詰めを迎える、華麗なる闘いをお伝えしたい。

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■シーズンも佳境 チャンピオンシップに出場するチームは……

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Dリーグは開幕戦から全9チームで闘う12ラウンド制の“レギュラーシーズン”を終えると、その後、レギュラーシーズンの上位4チームで行われるトーナメント制の“チャンピオンシップ”へと続く。レギュラーシーズンの各ラウンドはおおよそ2週間隔で順次行われ、6月21日が最終ラウンドとなる。トラックレースに例えれば、現在は第三コーナーに突入したところ。疲れも溜まりつつ本当の実力が出てくる局面をむかえ、まさにここからが大詰め。観る側にとっても、もっとも見応えが出てくるタイミングとなったと言うこともできるだろう。

思えば、1月20日の開幕戦、“心のダンサー”を自称する筆者としては、文字通り、身も心も踊らせながら、この世界初のプロフェッショナル・ダンスリーグの取材に赴き、誕生したばかりのDリーガー達のフレッシュでパワー溢れる演技を手に汗握りいささか興奮気味に観戦した。それから3か月、再び生で観る彼らは、すでに7回の連戦を終えてどのチームもさらに肝が据わったように見受けられた。それぞれが自信にあふれプロとしての風格を纏い始めたことが伝わってくる。まさに「器が人を作る」という大真理を目の当たりにし、Dリーグのますますの発展を手に取るように確信することが出来て嬉しくなった。

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ところで、約2週間隔で12ラウンド続くレギュラーシーズンについて、もう少し想像力を働かせてみたい。もしも、このシーズン構成が野球やサッカーなどのスポーツであれば、選手が闘いに備えてやるべきことは、日々のトレーニング、メンタルと肉体のケア、チームとしての戦術の確認、などであろうか?
 
1月の開幕戦の記事で、ダンスはスポーツに美と芸術を加味したものだと書かせていただいたが、今回あらためて、さらに驚きを深くしたことがある。頭では理解していたつもりではあったが、各チームはこの12ラウンドをすべて、違う演目で踊っているのだ。何度も言うがこれがスポーツならば、異なった戦術はあったとしても基本はルールに則って、日ごろの鍛錬を重ねた身体で出来る限りベストを尽くすのみだ。しかし、Dでは僅か2週間余りでまったく違う音楽のもと、全く違う振り付けを、それも個人でなくチーム8人で一つのものを作りあげて踊るのだ。これは筆者などにとっては、とても人間技とは思えない驚愕の事実に感じる。一つの演目を披露するまでに数か月の準備期間を要するというのが“常識”の、これまでのさまざまなダンスのやり方とは明らかに一線を画している。正直、あまりに苛酷にさえ感じる。「これがプロの厳しさです」と言われればそれまでなのかもしれないのだが……。

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とにかく、この12ラウンドを闘い抜く、踊り抜くということだけでも、物凄い努力と集中が必要とされることは間違いがない。身体だけでなく、脳みそまでクッタクタに疲れるはずだ。そして、2週間隔で新作を作り出さなくてはいけないディレクターの“産みの苦しみ”も想像を絶するものであろう。

今回、ゲスト・ジャッジのはるな愛さんが、「みんなの思いが飛び込んでくる」「踊りたい気持ちにさせて、人の気持ちをプラスにもっていく」という素晴らしいコメントを残していたが、本当に9チームそれぞれの強い思いとダンスを愛する歓びが会場のすべてを呑み込み、心を熱くさせてくれた。
ダンスには確かに人の気持ちをプラスにさせる力があると感じられる至福の時であったと共に、各チーム・各選手のダンススキルに留まらない成長をしかと見届けることが出来た。

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この先、いよいよ第四コーナーへと疾走するDリーグ。長いコロナ禍で閉塞した人々の心の重さまでを吹き飛ばす快進撃を続けてくれることだろう。ますますの期待を込めて、続くラウンド、そしてチャンピオンシップへの展開を待ちたい。

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著者プロフィール

Naomi Ogawa Ross●クリエイティブ・ディレクター、ライター
『CREA Traveller』『週刊文春』のファッション&ライフスタイル・ディレクター、『文學界』の文藝編集者など、長年多岐に亘る雑誌メディア業に従事。宮古島ハイビスカス産業や再生可能エネルギー業界のクリエイティブ・ディレクターとしても活躍中。齢3歳で、松竹で歌舞伎プロデューサーをしていた亡父の導きのもと尾上流家元に日舞を習い始めた時からサルサに嵌る現在まで、心の本業はダンサー


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