【日本ダービー/有力馬アナライズ】“1強ムード”がエフフォーリアを後押し、サトノレイナスと毎日杯組2頭は低評価

無敗で皐月賞を制したエフフォーリアが、昨年のコントレイルに続く無敗の二冠馬誕生なるか。第88回日本ダービーの焦点はここに絞られる。

前走・皐月賞は道中先団を見る位置で構え、進路が開けた直線で一気の抜け出し。鞍上・横山武史騎手の落ち着き払った好騎乗も光ったが、他馬を一瞬にして置き去りにした脚力は、能力が一枚も二枚も上であることを示していた。

1986年のグレード制導入後、エフフォーリアを除く無敗の皐月賞馬はこれまで6頭いたが、そのうち5頭が日本ダービーでも連勝を果たし、二冠を達成している。さらにフルゲート18頭でとなった1992年以降で最多8勝を誇る「1枠」に入ったことも、エフフォーリアの二冠人気を後押しする材料に違いない。

別路線組からは2007年のウォッカ以来、14年ぶりの牝馬戴冠を目論むC.ルメール騎乗のサトノレイナスが参戦するが、エフフォーリアの“1強ムード”が揺らぐことはないだろう。

【日本ダービー/穴馬アナライズ】10番人気以下に潜む“盲点”、皐月賞敗退組の巻き返しで「一角崩し」を狙う

■単勝1倍台の日本ダービーに見る傾向

では、“1強ムード”の日本ダービーは、これまでどうだったのだろうか。土曜正午時点のエフフォーリアの単勝は1.8倍。過去10年のうち1番人気の単勝オッズが1倍台だった近年の日本ダービーを例に分析していく。

人気(オッズ) 馬名 着順(優勝馬)
20年 1(1.4) コントレイル 1着
19年 1(1.6) サートゥルナーリア 4着(ロジャーバローズ)
15年 1(1.9) ドゥラメンテ 1着

敗れたのは2019年4着のサートゥルナーリアのみで、昨年のコントレイル、15年のドゥラメンテは人気に応えて二冠を達成している。この3年における共通点を探ってみたい。

上がり3F「35.0」をボーダーラインとし、未満を「瞬発力型」、以上を「持続力型」と分類した場合、次の傾向が見えてくる。

・「瞬発力型」は人気を裏切ることがある
→19年1番人気4着のサートゥルナーリア、15年2番人気4着のリアルスティール

・「持続力型」は中穴人気以下で台頭する
→20年10番人気2着のヴェルトライゼンデ、15年5番人気2着のサトノラーゼン

“1強ムード”の日本ダービーでは1番人気がレースを支配することにより、タフな競馬になる。昨年こそ前半1000mは61秒7と落ち着いたが、2019年は57秒8、15年は58秒8と、59秒を切る展開からの持続力勝負となった。

今年はマイル路線から快速馬・バスラットレオンが参戦し、早めの競馬で結果を残してきたタイトルホルダーバジオウもいる。これに「主役」のエフフォーリアがこれまで同様に正攻法の競馬を見せれば、おのずとタフなレースとなるはずだ。

【日本ダービー/データ攻略】エフフォーリアとサトノレイナス、人気馬2頭の明暗を分ける「100%データ」とは?

■エフフォーリアは皐月賞の36秒7が秀逸

エフフォーリアは過去4戦のうち、メンバー上がり最速は2戦目の百日草特別(33秒4)のみ。残り3戦は上がり2位での先行押し切りで、皐月賞は上がり36秒7だった。平均値は「34.8」でサートゥルナーリアに近い数値ではあるが、皐月賞を「36.7」で制した点は大きく異なる。

つまりエフフォーリアは上がり33秒台の脚も使える「万能型」と言えるだろう。2年連続で無敗の二冠馬誕生の可能性は極めて高いと見た。

一方、不安なのが牝馬・サトノレイナス。ここまで4戦のうち3戦でメンバー上がり最速を繰り出し、その平均値は「33.7」。いずれもマイル戦だけに上がりが速いのは当然ではあるが、牝馬特有の「瞬発力型」と言えるだろう。このあたりは人気を下回る4着に沈んだサートゥルナーリアやリアルスティールに似ており、馬券圏外も想定した押さえ評価に留めたい。

また、阪神芝1800m1分43秒9という驚異的な日本レコードを叩き出したシャフリヤールグレートマジシャンも、この論点でいけば危うい存在になる。上がり3Fの平均値はシャフリヤールが「34.0」、グレートマジシャンは「33.8」と、いずれも「瞬発力型」に分類される。

エフフォーリアを軸にヒモ荒れを狙う、これが今年の日本ダービーの攻略だ。後編では「持続力型」から人気の盲点3頭をピックアップする。

【日本ダービー/追い切りジャッジ】サトノレイナスは辛口評価「B」、ゴーサインにギア上げず「精神面に一抹の不安」

■日本ダービー2021予想コラム一覧

▼穴馬予想
◆【後編・穴馬】10番人気以下に潜む“盲点”、皐月賞敗退組の巻き返しで「一角崩し」を狙う

▼データ予想
◆【前編・有力馬】エフフォーリアとサトノレイナス、人気馬2頭の明暗を分ける「100%データ」とは?

◆【後編・穴馬】前走上がり最速の脚も完敗の穴馬、強力データが示す「6-1-1-0」の“買い”要素

▼追い切り予想
◆【有力馬】エフフォーリアを上回る「S」評価、前走激走の反動皆無「心肺機能は文句なし」

◆【有力馬】サトノレイナスは辛口評価「B」、ゴーサインにギア上げず「精神面に一抹の不安」

◆【有力馬】エフフォーリアは2番手評価「A」、動き上々も回復に若干手間取ったか

◆【穴馬】前走完敗の伏兵に「A」評価、稽古駆けするOP馬を圧倒「「闘志満々」

▼その他、データ傾向
◆【騎手データ】エフフォーリアの横山武は東京芝2400mわずか1勝、連対率30.4%を誇る“府中の鬼”とは

◆【過去10年データ/枠順傾向】エフフォーリアの1枠は最多3勝の“絶好枠”、サトノレイナスは連対率わずか3.3%の“鬼門”8枠

◆【過去10年データ/人気傾向】2番人気は勝率「10%」、1・2番人気ワンツーは過去10年で昨年のみ

◆【過去10年データ/前走ローテ】エフフォーリア、二冠達成の確率は「30%」 無敗でも過信は禁物

▼UMAJINチャンネル「必勝!岡井塾ー日本ダービー 編」

著者プロフィール

山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
アスリートの素顔を伝えるメディア『SPREAD』の編集長。旅行・アウトドア雑誌のライターを経て、競馬月刊誌「UMAJIN」の編集長として競馬業界へ。その後、Neo Sports社にて、「B.LEAGUE」「PGA」「RIZIN」等のスポーツ×ゲーミフィケーション事業に携わり、現在に至る。競馬は、1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、盲点となる穴馬の発掘を追求し続けている。


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