■穴馬プラスワン! グラティアス
【中間調整】前走・皐月賞は16頭立て15番枠、稍重馬場に脚を取られ、4角では接触と苦しい条件が揃っていたが0秒7差の6着に食い込んだ。その後ノーザンファーム天栄で英気を養い、5月7日に美浦へ戻っている。9日にウッドで14-14を消化し、12日にオープン馬デュードヴァンと互角の動きを披露。GIを走っての傷みは感じられず、使った上積みだけ見込める状況だろう。1週前となる20日は美浦へ駆け付けた松山弘平騎手が跨り、ウッドで併せ馬。稽古駆けするオープン馬ヴェスターヴァルトをアオって抜け出してみせた。相手も反撃するのだが、その分来れば来るだけ脚を伸ばせており、闘志満々といった雰囲気。
【最終追い切り】この日もウッドで松山騎手を背に併せ馬。先週と同じヴェスターヴァルトを見ながら、序盤は前向きさと折り合いを同居させたいい雰囲気で進む。直線は促す程度だったが、いい反応からあっさり取り付いてみせた。1週前のように抜け出せなかったが、これはこの日装着したメンコが影響したようだ。それでもラスト1Fは余力を残して12秒フラットといい数字をマーク。
【見解】とにかく1週前の動きが圧巻。柔らかく大きなフットワークには目を見張ったし、いい折り合いからの溜めた脚の弾けっぷり、相手に抵抗されても怯まず圧倒と、走ることへのモチベーションが相当高そう。最終追いはそこからやや見劣ったが、そのとき装着していたメンコは本番のゲート裏で外すとのこと。能力全開に期待できそうだ。前走は騎乗停止で乗り替わりとなったが、改めてコンビ結成となる松山騎手との相性も上々。前走以上の走りを意識できる。
総合評価「A」
■日本ダービー2021予想コラム一覧
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◆【前編・有力馬】エフフォーリアとサトノレイナス、人気馬2頭の明暗を分ける「100%データ」とは?
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▼その他、データ傾向
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。