【七夕賞/危険な人気馬】課せられたトップハンデは「0.1.0.9」とほぼ全滅 血統・乗り替わりと不安要素がのしかかる

【七夕賞/危険な人気馬】課せられたトップハンデは「0.1.0.9」とほぼ全滅 血統・乗り替わりと不安要素がのしかかる

今週はサマー2000シリーズの第2戦、第62回七夕賞(GIII、芝2000m)が福島競馬場で行われる。

今年は、中山金杯を制したカラマティアノスや、昨秋のチャレンジCを制したオールナットなど、重賞ウイナーは5頭。一方、初重賞制覇を狙うのは、前走福島民報杯を勝ったサヴォーナや、一昨年の七夕賞で1番人気4着のバトルボーン、昨秋のセントライト記念2着ヤマニンブークリエや、昨年のラジオNIKKEI賞2着センツブラッドといった面々。主役不在の混戦模様で、どこからでも狙えそうな一戦だ。

そんな中、重賞2勝目を狙うカラマティアノスが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■実績十分ゆえ4歳で過剰に背負わされた斤量

昨年はクラシック路線を歩んだカラマティアノス。皐月賞、ダービーともに2ケタ着順に沈み、その後も不振に陥ったが、年明け初戦の中山金杯を制して見事に復活。続く中山記念でも、好メンバー相手に2着と好走し、力のあるところを証明して見せた。前走のエプソムCでは6着に敗れたが、直線で進路がなくなる場面があるなど、スムーズなレースができなかったことが敗因。今回の相手なら、実績面では一歩リードしており、力の入る一戦となるだろう。

七夕賞は福島の名物ハンデ重賞だけに、斤量は重要視したい項目。過去10年でトップハンデ馬の成績は【2.1.0.11】で、2019年ミッキースワロー、20年クレッシェンドラヴの2頭が勝っているものの、5、6歳とキャリアを重ねた馬によるもの。4歳でトップハンデはあまり例はないが、昨年シリウスコルトが58.5キロを背負って、3番人気8着に敗れており、決して吉兆ではない。

また、過去10年で斤量58キロ以上の馬は【0.1.0.9】の成績で、信頼度はいまひとつ。58キロ以上で勝ったのは、06年メイショウカイドウ(59キロ)まで遡ることとなり、重いハンデはマイナス材料。カラマティアノスは前走で初めて58キロを経験し、今回は増減なしで臨むこととなるが、斤量の経験値はまだまだ不足気味と言わざるを得ない。

■勝ち身に遅い血統面はマイナス

血統面では、父ディープインパクト系が【5.1.1.17】、ステイゴールド系が【1.1.0.12】で、過去10年では父サンデーサイレンス系の血脈が大いに幅を利かせている一戦。一方、父キングカメハメハ系は【1.6.3.18】の成績で、やや勝ち身に遅いイメージ。父レイデオロは芝2000mで、福島での勝率5.7%は全10場の中でワースト2位、連対率11.4%は同ワースト1位と、数字は決して良くない部類のもので、強調できる材料とは言えない。

そして、今回は主戦の津村の騎乗停止により、岩田康が鞍上となるが、過去10年で関東騎手の成績が【9.6.8.97】であるのに対し、関西騎手の成績は【1.4.2.22】で、関西騎手が勝ち切れていない点も気になる材料。岩田康も福島での騎乗機会は少なく、今回が2年ぶりの参戦。これまでに3勝クラス以上での勝ち鞍はなく、コース経験値の少なさも気になるところだ。

近4年の七夕賞は、ここで重賞初制覇を決めているように、実績馬よりも新生が輝きを放つ一戦。単勝1番人気は、過去10年でわずかに1勝。優勝馬10頭中7頭は、負担重量57~57.5キロと、一番の実績馬よりやや劣る馬、一番重量を背負う馬よりやや低い馬が勝つ一戦なのかもしれない。そういう意味では、カラマティアノスは一番軽視したい1頭。斤量や血統など、過剰な人気ほどの信頼度は低く、妙味を考慮すると、少なくとも「頭」勝負は避けたい。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

izukawaya