【ラグビー】日本代表、強豪ワラビーズ相手に“胸を借りる”一戦へ 松田力也や流大は久々の先発起用

代表では2018年以来の先発出場となる松田力也(C)Getty Images

朝晩の空気がひんやりと感じられるようになり、いよいよ本格的なラグビーシーズンがやってきた。すでに大学ラグビーは各地で熱戦が繰り広げられているが、23日、ついにジャパンが始動する。オーストラリア代表を昭和電工ドーム大分に迎える一戦は、2019年ワールドカップ以降では初となる国内でのテストマッチだ。日豪両チームともヨーロッパ・ツアー直前のキックオフ・マッチでもある。現時点でのジャパンの実力を計る注目の試合を分析したい。

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■リーチ、田村はリザーブに

この一戦に臨む日本代表は、稲垣啓太(PR)、姫野和樹(NO8)、中村亮土(CTB)といったメンバーが名を連ねた一方で、山中亮平(FB)は23人から外れ、リーチ・マイケル(FL)や田村優(SO)といった経験豊富なプレイヤーが控えに回った。

また、初キャップとなるベン・ガンターや、約3年ぶりに先発起用される松田力也(SO)、2019年ワールドカップ以来の代表復帰となる流大(SH)らへの期待も高まっている。ワールドカップフランス大会も2年後に迫っており、未来を見据えた決断であることは明白。アイルランド戦から合流予定の松島幸太朗を含めた今後の起用法にも注目だ。

変化といえば、キャプテンがリーチからピーター・ラブスカフニ(FL)にバトンタッチされた。ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)は「リーチにはしっかりラグビー(試合)にフォーカスしてもらいたい」とコメントしている。ラブスカフニも代表で活躍してきた選手。チーム作りの方針は継承されるだろう。

■世界ランク3位の強豪に“胸を借りる”一戦

むしろ、見どころが多いのはワラビーズのほうかもしれない。先月終了した南半球4カ国による「ザ・ラグビー・チャンピオンシップ」では、ニュージーランドには連敗したものの、南アフリカ、アルゼンチンに4連勝して調子を上げている。南アフリカが最終戦でオールブラックスを破って世界ランキング1位に浮上したことを考えると、南アに連勝したことは評価できる。なお、現在、オーストラリアのワールドランキングは3位、日本は10位。最後のテストマッチは2017年で、日本は30-63で敗れている。今回も胸を借りる一戦となる。

もっとも注目したい選手は、アンドリュー・ケラウェイ(WTB)だ。スピードとステップに磨きがかかり、「ザ・ラグビー・チャンピオンシップ」では7トライをあげてトライ王に輝いた。とにかくステップワークにキレがあり、世界トップクラスのウイングであることは間違いない。彼のアタックをどう止めるか、ディフェンス力も試される。

さらに、バックスと同等の機動力があるプロップのタニエラ・トゥポウや、23歳と若くて生きがいいスクラムハーフのテイト・マクダーモットもワールドカップでの活躍が期待されるタレントであり、今のうちから注目しておきたい。また、クエイド・クーパー(花園近鉄ライナーズ)も先発SOに名を連ねている。

■欧州遠征はアイルランド、ポルトガル、スコットランドの3試合

ワラビーズ戦の後、ジャパンはヨーロッパに遠征し3試合を戦う。初戦は11月6日のアイルランド戦。7月3日に対戦した際は、31-39と接戦を落とした。今回は前回以上の結果を期待したいところだ。

11月13日には、ポルトガルのコインブラで同国代表チームと初めてのテストマッチを行う。ラグビーではあまり馴染みがないが、現在のワールドランキングは19位。ジャパンが前回のワールドカップで対戦したロシアより上位に位置している。パトリス・ラジスケHCは「トップ10のチームと対戦することは大きな挑戦」と、アップセットを狙っている。

そして、最終戦は11月20日のスコットランド戦。何かと因縁が深い、欧州のライバルだ。アイルランド、スコットランドともに、2019年のワールドカップではジャパン戦で屈辱を味わった。地元では絶対に負けられないという意地がある。ランキング5位、7位の強豪とどう戦うか、日本代表の2年後を占う試合となりそうだ。

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。


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