【MLB】秋山翔吾はなぜ米国で苦戦するのか 打撃データが物語る「明白すぎる課題」

レッズ・秋山翔吾(C) ロイター/USA TODAY Sports

シンシナティ・レッズ秋山翔吾外野手はメジャー2年目のシーズンを終えたが、今季も故障と打撃不振に苦しみ持ち味を発揮しきれなかった。来季は3年契約の最終年を迎えるが、文字通りの正念場となることは間違いない。

NPBでは安打製造機として活躍し、侍ジャパンでも存在感を発揮してきた好打者が、米国で本来の力を発揮するために必要な要素とは何なのか。今季のデータやレッズ外野陣の成績なども踏まえながら、復調へのカギを考察したい。

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■深刻な「パワー不足」

今季のレッズは83勝79敗、ナ・リーグ中地区3位であったが、その原動力となったのは長打力に重きを置いた打線だ。盗塁数はリーグワーストながら、チーム本塁打数は222本を数え、MLB全体で6位タイ。チーム防御率4.40の投手陣を抱えながらも、ジョーイ・ボットニック・カステヤノスを筆頭とした打線のパワーで勝率.500を越えてきた。

この傾向は外野陣の編成でも顕著だ。カステヤノスが34本塁打、ジェシー・ウィンカーが24本塁打、タイラー・ネイキンが19本塁打を記録。秋山とほぼ同じ出場機会のアリスティデス・アキーノも10本塁打を放っている。

今季の秋山は開幕から29試合を欠場した関係で、途中出場での起用がメインとなったが、外野陣に故障者が出た際もアピールしきれなかった。その要因はやはり打撃不振。データを振り返ると、88試合に出場し、打率.204、0本塁打、12打点、2盗塁という成績以上に、「パワー不足」が深刻化している。

「Baseball Savant」で公開されているデータによると、打球速度は平均値を下回る86.5マイル(約139キロ)、打球角度も1年目の2.9をさらに下回る1.9となっている。また、速球系の投球に対しての打率は.175。速いボールを捉えきれず、力強い打球が少なかったことが見えてくる。

秋山翔吾の打球分布(出典:Baseball Savant)

打球方向を振り返っても、ライト方向への安打の少なさが目を引く。西武時代のように、内野の間を抜く打球や外野への鋭いライナーを放つために、来季はよりいっそうのアジャストが求められる。

■守備は及第点、3年目の巻き返しなるか

秋山にとっては打撃面での課題が浮き彫りになったシーズンであったが、守備面では意地を見せた。シーズン中の好プレーに対して、ベル監督や地元メディアが称賛したケースも少なくない。

米データサイト「FanGraphs」で公開されている数値で振り返ると、50イニング以上守備についた中堅手としてのUZR(同守備位置の平均的な選手が守る場合に比べて、どれだけの失点を防いだかを表す指標)は「1.6」でリーグ14位。また、レッズの外野手に限ると同指標ではトップに立っている。

MLB移籍後、142試合、317打数連続で本塁打なしの秋山に、過度な長打力アップを望むのは現実的ではないだろう。ただし、打球が力強さを増さない限り、最低限のチャンスも掴み取れず、チームの構想外となってしまう不安はついてまわる。自身の課題と、チームに与えられる付加価値は何なのか。その答えは秋山本人も過去2シーズンを経験したうえで明確になっているだろう。

果たして、今オフにどこまで課題を解消し、来季開幕を万全の体調で迎えることができるか。NPBシーズン歴代最多安打記録を保持する稀代のバットマンによる、“三度目の正直”に期待したい。

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文・SPREAD編集部


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