【MLB】開幕延期も 機構と選手会、デッドライン迫るなか電撃合意なるか

MLBのロブ・マンフレッドコミッショナー(C)Getty Images

メジャーリーグでは新労使協定締結を巡り、機構と選手会の対立が続いている。2月27日(日本時間28日)も7日連続となる交渉が行われたが、進展はなかった。機構側は、2月28日(同1日)までに合意しなければ31日(同4月1日)の開幕を延期し、シーズンを短縮する方針を示している。デッドラインが迫る中、開幕延期は避けられず、焦点は中止となる試合数に移っているという見方も出ている。

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■公式サイト提示「解決必要な3項目」

「The Athletic」のエバン・ドレリッチ記者らによると、機構側はこの日、選手会に対してレギュラーシーズン1カ月分の試合を取りやめる意思を表明したという。「ESPN」のジェフ・パッサン記者は「選手会は当然のことながら、これを明確な脅威として受け止めている」とツイートしているが、選手会が弱腰になり、連帯感が薄れ始めたという兆候は今のところない。

MLB公式サイトは解決しなければならない大きな問題として、「1. ボーナスプール」「2. 最低年俸」「3. 年俸総額(競争均衡税、ぜいたく税)」を挙げている。しかし、ボーナスプールに関しては隔たりが大きい。機構側が「2000万ドル(約23億円)」の拠出で合意を求めているのに対し、選手会の要求は「1億1500万ドル(約133億円)」を要求しているとされ、その差は6倍近い。

最低年俸の引き上げについては、機構側が「63万ドル(約7300万円)」を提示しているのに対し、選手会は「77万5000ドル(約9000万円)」と一見折り合いが付きそうだが、選手会は段階的に引き上げることを要求している。また、球団が支払う年俸総額については、機構側が「2億1400万ドル(約248億円)を提案しているのに対し、選手会は「2億4500万ドル(約284億円)」を求めている。

■選手会が求める若手の待遇改善

そのほか、プレーオフ進出チームの拡大やドラフト制度など対立点はいくつか残されているが、そもそも選手会が目指しているのは、若手の待遇改善。近年のメジャーでは、年俸を低く抑えることができる若手の登用が目立ち、選手全体が受け取る給与総額は減少傾向と言われている。

MLBのロブ・マンフレッドコミッショナーはかつて「球団経営より金融投資の方が儲かる」という趣旨の発言をしたが、現在MLB球団もかなりの利益を上げていることは周知の事実。例えば、昨年のアトランタ・ブレーブスの収益は、球団史上最高額の5億6800万ドル(約625億円)で純利益1億400万ドル(約114億円)に上った。選手会もそういった流れを分かっているため、大幅譲歩には慎重だ。タイムリミットが迫る中、今こそコミッショナーが球団側をまとめ、選手会に歩み寄る姿勢が必要だろう。

1.「ボーナスプール」=メジャー契約した若手選手は通常、3年目を終えるまで年俸調停権を得られない。このため、例え活躍しても、若手は年俸調停権がない以上、高額の年俸を受け取ることが難しい。この問題を解決するために登場したのが「ボーナスプール」。各球団が資金を拠出し合い、活躍した若手選手にボーナスとして分配するというもので、下記の「最低年俸」同様、今回の交渉において若手の待遇改善を求める選手会が強く要求している。

2.「最低年俸」=一部のトップ選手を除くと、メジャーに上がった選手は3年目を終えた時点でようやく年俸調停権を得ることができる。つまり3年目までの選手の年俸は、最低水準に据え置かれるケースが多く、ここの底上げを選手会は求めている。

3.「年俸総額(競争均衡税、ぜいたく税)」=球団の年俸総額に基準を設け、それ以上の年俸を支払う球団には“ぜいたく税”を課し、そこで徴収した分を年俸総額の少ない球団に分配するというもの。「competitive balance tax」と記し、CBT(競争的均衡税)と呼ばれる。もちろん、“ぜいたく税”を支払っても構わないから年俸総額の上限にこだわらず補強を続ける資金潤沢なチームもある。

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文・SPREAD編集部


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