■トップ3は僅差の接戦

ゲスト・エンターテイナー・ジャッジのTAKAHIROさん(C)D.LEAGUE 21-22
演技後の解説でゲスト・エンターテイナー・ジャッジのTAKAHIROさんが「ダンス、芸術性、物語を掛け併せたエネルギーの構築がとても上手かった」とコメントしていたが、今回のROYALBRATSの勝利は、そのようなクリエイションの練られ具合の勝利ともいえるだろう。
優勝決定後の総括でも、レギュラー・エンターテイナー・ジャッジのテリ―伊藤さんは「ロイヤルブラッツのダンスのジャンルは『楽しいジャンル』。ワクワクして、真似したくなって、軽くて楽しくて。そのような、ダンスで最も大切な部分を持っている。」と評していた。それはもちろん、紛れもなくエンターテイメントに必須の要素である。そういう意味で、テリーさんから最大の賛辞が贈られたと言えるだろう。
一方、今回惜しくも一点差で優勝を逃したSEGA SAMMY LUXは、アフリカとラテンを融合した「未来型ネイティブ」をテーマとした、裸足で、且つ肌をしっかり露出した衣装で登場。唯一の女性レギュラーダンサーであるRAARAに加えて3人の女性SPダンサーを迎え、4人対4人の男女の肉体が奏でる、強さと美しさに溢れたナンバーが届けられた。いつもの安定したダンススキルとエネルギーのハーモニーから一歩踏み出した、挑戦ともいえる今作品は、ダンサーが絶対的に持つべきである、本質的で上質なセクシーさを存分に湛え、思わず目を見張るプリミティブな魅惑に満ちていた。残念ながら優勝には至らなかったが、このナンバーからLUXのさらなる魅力を発見し、既存のファンはもちろん、心を深く捉えられ、惹き付けられた観客も多かったのではないだろうか。
そして、3位となったKOSE 8ROCKSのテーマは「温故知新」。「ブレイキン×三味線」という斬新な組み合わせのナンバーだが、思いのほか、奏者である吉田兄弟が奏でる三味線の力強さと、8ROCKSが繰り出すブレイキンの超人技のテンションがマッチし、誠に心沸き立つ、和テイストな“ザ・ブレイキン”が展開された。会場が最も盛り上がり、観客を沸かせるという点では、やはりこの8ROCKSの右に出る者はいないと言ってしまって良いだろう。
このラウンド10でトップ3となった上記チームは本当に甲乙つけがたく、どのチームが優勝してもおかしくない、非常に僅差の接戦となった。そして全体としても、Dリーグ全チームのクオリティが間違いなく上がってきていると感じさせる、さらに重みを増した見応えのある闘いが繰り広げられた。
また今回、ラウンドの終盤にチャンピオンズシップの開催が6月5日になることが正式に発表されたが、ここからいったいどの6チームが頂上決戦へと駒を進めることになるのか。12ラウンド中の10ラウンドが終了したとはいえ、残る2ラウンドで順位の巻き返しもあり得る予断を許さない状況である。ここからいよいよ大詰めを迎えるセカンドシーズン、ますますのデッドヒートが予想されるラウンド11の開催は4月27日。次回も、各チームがどんな趣向の素晴らしいナンバーを届けてくれるのかと楽しく夢想しながら、全チームの健闘を祈りつつ、次の熱戦を待ち受けたい。
◆【R 9.】SEGA SAMMY LUXが完全勝利で首位奪還 カンフー×ダンスの融合で“リベンジ”成功
◆鮮烈参入を果たしたdip BATTLESの煌めき SHUHOとRAIKIが見据える「国民的スター」への道筋とは
◆日本中の「ダンサー」に幸せをもたらすDリーグ 魂までが踊りだす喜びがここにある
著者プロフィール
Naomi Ogawa Ross●クリエイティブ・ディレクター、ライター
『CREA Traveller』『週刊文春』のファッション&ライフスタイル・ディレクター、『文學界』の文藝編集者など、長年多岐に亘る雑誌メディア業に従事。宮古島ハイビスカス産業や再生可能エネルギー業界のクリエイティブ・ディレクターとしても活躍中。齢3歳で、松竹で歌舞伎プロデューサーをしていた亡父の導きのもと尾上流家元に日舞を習い始めた時からサルサに嵌る現在まで、心の本業はダンサー。










