川島永嗣、ハリルホジッチ電撃解任にショックと後悔…厳しい言葉の奥にあった「選手への愛」

日本代表監督を務めていたヴァイッド・ハリルホジッチ氏が4月9日に電撃解任された。ワールドカップ(W杯)本大会まで2ヶ月と迫った時期の解任に様々な声が出ている。

日本サッカー協会の田嶋幸三会長は解任を決定した理由として、「選手とのコミュニケーション、信頼関係が薄れた。選手から話を聞いたこともあった。総合的なことから決断した」と会見で説明した。

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ハリルホジッチ解任にショックと後悔

こうした状況で日本代表GKの川島永嗣選手がブログを更新して、ハリルホジッチ氏への思いをつづっている。

川島選手は突然の解任に、「久々に書く内容がこんな内容になるとは思っていなかったけど、今日ハリルさんが解任になったことを聞いて正直驚かされました」とショックを隠せない。

「サッカーの世界では一日ですべてが変わるのは日常。昨日いた選手が挨拶もなく今日はもういなくなっている、監督が解任になって、次の日には違う監督が突然チームを指揮する。大きく批判された選手が次の試合ではヒーローになれば逆も然り。僕たちはとても変化のスピードが早い世界で生きている。それが日常だ。

「それでも、監督も同じように4年に一回だけの、国の威信をかけた、すべてのサッカー選手にとっての夢の舞台、W杯という舞台に、すべての情熱とエネルギーを費やしてきたはず。その1人の人間の夢が奪われてしまったことは、同じ夢を目指している選手として心から残念に思う。

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チームで一番の責任を負うのは監督だが、「ピッチの上で勝利のために足を動かせるのは選手でしかない」と語る川島選手。

今回の出来事を受けて、「自分にもっとできることがあったのではないかと、後悔の念で頭が一杯」と苦渋をにじませ、「フランス語で彼が放つ言葉とその裏にどんな意図があるのか、それが分かっていたからなおさらだ」とつづる。

ベルギーでのプレーが長く、現在はフランスのリーグ・アンで活躍する川島選手。フランス語が堪能で現地の人間の気質にも通じており、代表選手ではハリルホジッチ氏を最も理解できるポジションにいた。それだけに思うところがあるようだ。

ハリルホジッチの厳しさには選手への愛があった

フランスでもハリルホジッチ氏は厳しいことで有名だったという川島選手。それは「クレイジーだと言っても誰も驚かない」ほどだが、その厳しさは他人だけではなく「自分自身にも厳しかったこともとても有名」と語る。

「だからいつだってヴァイッドの要求は僕にも厳しかった。褒められたことは一度もない。代表も外された。お前は代表に呼ばれる立ち場にないとも言われた。でも、キャリアの中で、成長するきっかけをくれたのは、いつだって自分にNOと言ってくれる人だった」

ある監督が言った言葉として川島選手は「真実というのは心が傷つくものだ、でも、それから耳をそむけてはいけない」と成長するための心構えを語る。

「ヴァイッドはとても厳しかった。でもいつだって選手が成長する事を考えている監督だった。その裏にはいつも選手を想う愛があったし、ピッチの外ではお茶目なおじいちゃんのようだった」

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ハリルのためにも、成長した姿でW杯を戦わなければいけない

あらゆる物事が驚くべき速さで流れ、一日ごとに何もかもが変わっていく世界。そんななかで川島選手は、「僕らの日常は変わらない。変化の真っ只中で生き続けなければいけない」と前を向こうとする。

「でも振り返らずに、前を向く事も出来なければ、責任を感じずに、次へ進む事も出来ないだろう」

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協会が解任を正式に発表したことにより、ハリルホジッチ氏の下でW杯を戦う機会は失われた。過ぎ去った時間を戻すことは誰にも出来ない。

「感謝の気持ちは伝えたくても伝えきれない。それは彼が残したW杯出場という功績に対してだけでなく、本気で自分を成長しようとぶつかってきてくれた情熱に対してもだ。」

「2ヶ月後に迫っているW杯を、3年間共に目指してきた監督と一緒に戦えなくて心から残念に思う。ヴァイッドがかけた3年間。そして応援し続けてくれている日本中の皆さんのためにも、日本代表は成長した姿で本大会を戦いにいかなければいけない」