10月4日、キリンチャレンジカップのパナマ戦、ウルグアイ戦に臨む日本代表メンバーが発表された。
ロシアW杯の主力として戦った海外組も名を連ね、いよいよ森保ジャパンが本格的に始動する。
気になるフォーメーションは?
森保監督といえば、サンフレッチェ広島時代に3-4-2-1のフォーメーションでJリーグを3度制覇するなど、3バックを起用することが多い。
実際、東京五輪世代の監督を務めている時も3-4-2-1のフォーメーションを軸に戦っている。
中止となった9月のチリ戦の前にも練習で3バックをテストしていたが、コスタリカ戦では4-4-2を採用。
メンバー発表会見でもその2つのフォーメーションを軸に戦っていくことを明かした。
フォーメーションの歴史
フラット3
3バックといえば、2002年の日韓共催W杯でトルシエ監督が採用したフラット3と呼ばれる3-4-1-2が記憶に新しい。
176センチと小柄な現ガンバ大阪監督・宮本恒靖選手の高い戦術理解度を評価し、3バック中央で起用した。

(c)Getty Images
中盤とうまく連携することで守備を安定させ、日本のW杯初のベスト16進出の要因ともなったフォーメーションだ。
トルシエがフラット3をやった時に、それを日本の守備として定着させるべきだったと思う。
— あかまっちゃん (@akmtsru) 2018年7月2日
その後就任したジーコ監督は3-5-2と4-4-2のフォーメーションを併用。
中田英寿選手や中村俊輔選手といった黄金世代の選手を活かすために4-4-2を採用したとも言われたが、2006年のドイツW杯ではうまく機能せず、敗退してしまった。
パスサッカーの根幹を構築したオシム監督
オシム監督はフォーメーションにはあまりとらわれずに柔軟に対応。
フォーメーション論がナンセンスだと言ったのは、オシム爺だったな。
— わかまとぅいったー (@onniel1981) 2013年6月4日
日本人の特長を活かすことを主眼に置き、4-4-2であったり、3バックになったりと可変型のシステムを構築し、その後の日本のパスサッカーの根幹を作ったといっても過言ではない。
しかし、オシム監督は就任から1年あまりで病に倒れ、退任。
後任の岡田武史監督は、現在の日本代表の主流となっている4-2-3-1のフォーメーションを採用した。
しかし、2010年南アフリカW杯直前に成績が芳しくないことを理由に方針転換。
本田圭佑選手を1トップに抜擢し、中盤の底にアンカーを置いて守備を安定させ、いわゆる“ゼロトップ”的な守備的戦術で南アフリカW杯を戦った。
この決断が功を奏し、日本は国外開催のW杯で初めてベスト16へ進出を決めた。
ザッケローニ監督の下ポゼッションサッカーを展開
新たに就任したザッケローニ監督は、2大エースとして日本代表を引っ張っていた本田圭佑選手と香川真司選手が共存する4-2-3-1を採用。
また、自身がクラブチームを率いていた際に愛用していた3-4-3のフォーメーションもテストするが、なかなか機能せず。
一方で、4-2-3-1でポゼッションサッカーは2大エースの活躍もあり、イタリアとも善戦するなど完成度を高めた。
しかし、ブラジルW杯では格上相手にボールを支配することができず、守備にも綻びが生じてしまい、1分2敗で敗退してしまった。
縦に強い4-3-3
アギーレ監督・ハリルホジッチ監督は4-3-3のシステムを採用。
特にハリルホジッチ監督は“デュエル”という言葉をしきりに出し、ポゼッションを捨て、縦に早いサッカーを目指すと明かしていた。
しかし、ロシアW杯出場を決めるも本大会が近づくにつれて結果が出なくなり、本番直前に解任。
代わった西野監督は3-4-2-1をテストする場面もあったが、本大会は4-2-3-1あるいは4-4-2を採用。
4-2-3-1のシステムでベルギーとも激闘を繰り広げた。
森保監督はどのような戦い方を見せるか
これまでを振り返ってみても、近年は4-2-3-1を軸に戦ってきたことが分かる。
今までの蓄積を生かしつつ、新たなフォーメーションにも挑戦することで可能性は大きく広がる。
アジアカップでは日本がどのような戦いで臨むのか、フォーメーションという観点から注目してみるのも面白いかもしれない。
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