【韓国オープン】西岡良仁「今から飲むわぁ」とお酒解禁 日本テニス界の可能性を示した史上2人目ツアー2勝目

 

【韓国オープン】西岡良仁「今から飲むわぁ」とお酒解禁 日本テニス界の可能性を示した史上2人目ツアー2勝目
日本のテニスを変えるか ツアー2勝目を挙げた西岡良仁 (C) Getty Images

■世界ランキング2位キャスパー・ルードを撃破

ルードとは昨年のマドリード・オープンで初対戦。ボールが跳ね、打つまでの時間が生まれやすいクレーコートでは、強烈なフォアで回り込まれペースを掴めなかった。しかし、この試合の中でも西岡は情報を収集し、約1年半後の再戦に白星を挙げることに成功した。

靖雄さんによると「ルードはフォアがすごくいい選手だけど、バックとの差があるのも事実。そのウィークポイントを揺さぶっていけば勝機はある」。その狙いは、実際にコートで戦う西岡と一致する。剛腕ストロークを持つルードに対し、バックハンドを突きながらリズムを崩し足元をすくう。見事な打ち合いから見せるネットプレーは磨きがかかり、必殺技となるバックハンドのカウンターは完璧な西岡ワールドを作り上げていた。

「今回はハードコートでの対戦。クレーみたいに時間があるわけじゃないので回り込むことは簡単じゃない。ルードが無理に前に入らずベースラインより後ろに下がってプレーしてくれた点が、良仁にとっては展開しやすかったです。実際に本人も打たないと、打たれて終わっちゃうから、フルパワーで打ち合いながら先に展開することを増やしたと言っていました」。

2位撃破に「最高の気分」と高揚を隠さず、翌日の準決勝では222位のアレクサンダー・コバチェビッチ(アメリカ)をフルセットの末に抑えきった。決勝では、24位のデニス・シャポバロフ(カナダ)を完封。これにより西岡のランキングは41位とキャリアハイを更新する。

「この1週間は自分にとって素晴らしい1週間だった。コートでは精神的にも戦う姿勢もよく、とてもいいプレーができました。どの試合もどうすれば相手を打ち負かせるかを考えて戦った。多くのボールをプレーしてプレッシャーをかけることに集中し、チャンスがあればそれを狙うだけでした」。

ジュニアの頃から磨き上げたストイックなディフェンス力に知的なショットメイク。「ベースを変えなくても質さえ上げれば、まだ太刀打ちできる」そう信じた結果、今ここに辿り着いた西岡は、自身の歩みをもって日本テニス界の可能性を示したと言えるだろう。

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著者プロフィール

久見香奈恵●元プロ・テニス・プレーヤー、日本テニス協会 広報委員

1987年京都府生まれ。10歳の時からテニスを始め、13歳でRSK全国選抜ジュニアテニス大会で全国初優勝を果たし、ワールドジュニア日本代表U14に選出される。園田学園高等学校を卒業後、2005年にプロ入り。国内外のプロツアーでITFシングルス3勝、ダブルス10勝、WTAダブルス1勝のタイトルを持つ。2015年には全日本選手権ダブルスで優勝し国内タイトルを獲得。2017年に現役を引退し、現在はテニス普及活動に尽力。22年よりアメリカ在住、国外から世界のテニス動向を届ける。

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