■嫁さんは「目が肥えちゃって評価が厳しい」
――家族や会社の理解が欠かせませんね。
子供が2人いるんで、嫁さんの理解がないとやっていけないですね。嫁さんも個人事業主で自分の仕事をしているんです。お互いにやりたいことを認めて合っているんで、うまくいっているんだと思います。
彼女はもともと格闘技が好きなんですよ。試合を何度も見にきているんで、目が肥えちゃって評価が厳しいんですよ(笑)。興味があるからこそ理解できるってところもありますから、いいんですけど、けっこうケツ叩かれています(笑)。
チャンピオンになって、会社の中でも認知されました。会社の同僚も応援してくれていて、12月3日の防衛戦には50人くらいが応援に来てくれる予定です。

2人の子どもたちと勝利を分かち合う 本人提供
――いつ頃からボクサーを志したんですか。
小学校1年生のときから、テレビでボクシングを見ていたんです。当時は、畑山選手なんかの時代でしたね。わぁ、ボクサーってカッコいいなって思って。「俺もボクサーになるのか」って勝手に考えて、小学2年生のときに「ボクサーになって億万長者になる」って文集に書いてました。
――阿部選手といえば、「自称、天才」が有名です。
バスケットをしていたから、漫画の「スラムダンク」はずっと読んでいたんです。その主人公の桜木のセリフに「天才ですから」っていうのがあるんです。
ある試合の前に赤色のトランクスを作ったんです。そのとき、桜木が赤い髪の毛をしていたことを思い出して、「天才ですから」ってケツに入れたんです。だから、最初はただのジョークだったんです。でも、新人王から日本タイトル挑戦まで10連勝で上っていったときに、「あいつ天才か」ってなって、そのワードがボクシング界に広まったんです。まあ、それで覚えてくれる人もいるし。よかったかなって思っています。
――今、IBFの世界ランキングで5位です。先の目標も聞かせてください。
来年の3月で30歳になります。ボクシングのキャリアも後半に入る歳ですから、次のステージに向かっていきたいですね。初防衛戦をいい形でクリアして、来年は世界に繋がる試合をしたいと思っています。
IBFは挑戦者決定戦をきちんとやるんですけど、「次の勝ち方次第では(挑戦者決定戦が)あるかも」という話が来ています。もし、オファーがあれば、海外でもどこでもいい、上に行くチャンスを逃したくないと思っています。そのためにも、初防衛戦は圧倒して勝ちたいですね。
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著者プロフィール
牧野森太郎●フリーライター
ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。







