【カタールW杯】スペイン撃破の森保ジャパン “ジョーカー”三笘薫を活かす「川崎組」と勝因となった攻守のメリハリ

 

【カタールW杯】スペイン撃破の森保ジャパン “ジョーカー”三笘薫を活かす「川崎組」と勝因となった攻守のメリハリ
スペイン撃破に貢献した三笘薫(C)Getty Images

■初出場で安定した守備を披露した谷口

前半は僅かシュート2本に終わった日本は、後半スタートからドイツ戦で同点弾を挙げたMF堂安律、「日本のジョーカー」三笘薫を同時投入。スペインが日本の交代策と出方を窺っている隙に一気呵成に攻め立てた。

後半3分、前半は封印していたハイプレスを解禁。スペインがGKを使ってビルドアップする段階から前田、左シャドーの鎌田大地、左ウイングバック(WB)の三笘が連動して前へボールを奪いに出る。スペインが追い込まれながら逆サイドへ展開したボールを右WB伊東純也がリスクを負って前で奪い、セカンドボールを拾った堂安がペナルティエリア外から魂のこもった左足を一閃。堂安の今大会2点目となる豪快なミドルシュートが突き刺さり、日本が1-1の同点に追いつく。

続く後半6分、ロングボールを右サイドで収めた伊東が中央に攻め上がったMF田中碧を使い、ボックス内右の堂安へ。ドリブルを仕掛けながら送ったクロスは逆サイドへ流れるも、ライン際いっぱいで三笘が折り返し、ゴール前にフリーで駆け上がった田中がゴールへ押し込む。三笘の折り返しがゴールラインを割っていたかどうか際どく、VAR判定に。判定まで約3分間要したが、無事にボールがライン上であると確認され、日本が2-1と逆転。

リードした日本はハイプレスと自陣に引いてブロックを組む守備を使い分けた。スペインは主力を戻したが、日本のメリハリの利いた守備を前に30分ほどシュートを撃つこともできなかった。逆に三笘の超絶ドリブルから途中出場のFW浅野拓磨が絶好機を迎える場面もあったほどだった。

特に初出場のDF谷口は安定した守備を披露しただけでなく、攻撃面でも冷静なビルドアップで左WBに入る三笘を活かした。谷口は2017年から5年で4度Jリーグを制した川崎フロンターレの現主将で、三笘は昨夏まで川崎でプレー。この日、中盤でコンビを組んだMF守田英正と田中、DF板倉滉もこの常勝軍団出身で、後半はピッチ上に5人の「川崎組」がそろっていた。今大会の日本の攻撃で大きな課題として、圧倒的な個の能力をもつ三笘の活かし方が挙げられるが、この布陣はひとつの解答を出した。

■ボール支配率17.7%で2得点

その後、他会場に大きな動きがあった。後半25分にコスタリカが逆転したのだ。この瞬間、スペインは3位に落ちてGS敗退の危機に陥った。スペインの選手たちが狂気じみた迫力を醸し始めたが、スペインは唯一の本職ストライカーだったモラタをベンチに下げ、「仕上げ役」が不在だった。

逆に日本は後半23分にDF冨安健洋を投入して本職センターバックを4人並べる守備固めが功を奏した。局面でのパワーやフィジカルで日本が上回り、最後まで粘り強く戦って今大会2度目のジャイアントキリングを達成。

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尚、シュート6本で2得点した日本のボール支配率は17.7%。データ分析会社『Opta』の調べでは、1966年イングランド大会以降のW杯で勝利したチームとしては最低を記録した。スペイン戦前日、主将DF吉田麻也は、メリハリをつけた守備を勝敗の鍵に挙げていたが、森保ジャパンには攻撃面でもメリハリが効いていた。

E組を首位通過した日本は、F組2位でFIFAランク12位のクロアチアと決勝トーナメント1回戦を戦う。史上初のベスト8を狙う一戦は、日本時間12月6日0時キックオフとなる。

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文●新垣博之(しんがき・ひろゆき)

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