ニューヨーク・メッツの千賀滉大は2日(日本時間3日)のマイアミ・マーリンズ戦でメジャー初登板初勝利を挙げた。米メディアは全8三振を奪った“お化けフォーク”の切れ味に衝撃を受け、「魔球」として報道している。
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■「アンタッチャブルになった」
千賀は5回1/3を3安打1失点8奪三振でまとめ、メジャーデビューを白星で飾った。特に衝撃を与えたのは、全三振を奪った“お化けフォーク”。米メディアには「千賀が“ゴースト”を放出。結果は恐ろしく良かった」(Newsday)、「初回を乗り切った後、“幽霊”の力を借りてアンタッチャブルな存在になった」(NEW YORK POST)などの見出しが並び、称賛した。
MLBデータサイト『ベースボール・サーバント』は、千賀の投球チャートを掲載。26球を投じたフォークに関しては、高めに抜けたボールはなく、高くてもベルト付近で、ほとんどが低めに集まっていたことをイラストで示した。これを受けて米スポーツメディア『The Sporting News』は、「千賀は“ゴーストフォーク”を完全にコントロールしていた。上ずることはなく、常にベルトまたはそれ以下にとどまった。そのコントロールは快適さの証だ」と記した。

メッツ入団会見で満面の笑みを浮かべる千賀滉大 (C) ロイター
■「テーブルから落下するよう」
中堅手のトミー・ファムは「センターから見ていたけど、打者は嫌がっていたね。まるでテーブルから落下するようだった」とコメントし、フォークの垂直落下ぶりを表現。また、メッツのジェレミー・ヘフナー投手コーチは「カットボール気味に落ちることもあれば、フェードボールのように切れていくこともある。もちろん、まっすぐ落ちることもある。奇妙な回転をするんだ」と明かした。
平均落差は約81センチで最大104センチにまで達した千賀のフォーク。投じた26球に対して打者は14回のスイングをかけ、そのうち9回が空振りで、空振り率は64%を記録。まさに「魔球」となったボールに対し、『The Sporting News』は、「ただ消える」と記し、分類のしようがないボールだと指摘した。
デビュー戦で衝撃を与えた千賀。ライバル球団が練るであろうゴースト対策を突破し、輝き続けることができるか。今後の登板から目が離せない。
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文●SPREAD編集部