【WRC】第4戦クロアチア・ラリー ブリーン弔い合戦は同僚ティエリー・ヌービルが初日首位 後編

 

【WRC】第4戦クロアチア・ラリー ブリーン弔い合戦は同僚ティエリー・ヌービルが初日首位 後編
ここまでまだ勝ち星のない昨季王者カッレ・ロバンペラ (C) Toyota Gazoo Racing WRT

2023年FIA世界ラリー選手権WRC)第4戦クロアチア・ラリーは21日、クロアチアの首都ザグレブを中心に開幕。8本のステージが行われ、昨年12年ぶりに開催されたラリー・ジャパンでも優勝を飾ったヒョンデのティエリー・ヌービルが1時間16分2秒4でフィニッシュ、初日首位に立った。

◆第2戦クロアチア・ラリー ブリーン弔い合戦は同僚ティエリー・ヌービルが初日首位 前編

■「最終ステージが終わるまで」

首位をヒョンデに譲り、快進撃とは言えないTOYOTA GAZOO Racing World Rally Team代表ヤリ-マティ・ラトバラは、「難しいステージが続いた一日で、少し複雑な心境です。今朝の最初のステージでは、セブを中心に全てがうまくいっているように見えました。ところが、セブとカッレはまったく同じ場所でクルマを停め、ホイール交換をしなければなりませんでした。ふたりとも、路面が盛り上がっているところに当たってしまったようですが、残念ながら衝撃がかなり大きかったのでしょう。大幅にタイムを失ってしまったのは残念ですが、それはよくあることです。

一方、エルフィンは午前中のステージをうまく走り切り、自信を深めていくのがわかりました。そして午後からはハードにプッシュし始め、首位との差をどんどん縮めていったので、明日も優勝争いを続けてもらいたいと思います。セブとカッレはこのまま走り続け、どうなるのか展開を見たいと思います。ラリーはまだ2日ありますし、このラリーでは日曜日の最終ステージが終わるまで、何も決まらないことを私たちは知っています」と諦めを見せなかった。

トヨタのエバンスは2番手から追い上げなるか (C) Red Bull Content Pool

2位につけているエルフィン・エバンスは「今日は簡単にはいきませんでした。コーナーごとにグリップが変化し、前を走るクルマによって掻き出されたダートの量もコーナーによって大きく違いました。最初のステージは自分たちの出走順が後方だったため、路面がかなり汚れていて最高のスタートとは言えませんでした。しかし、その後はどんどん順位を上げていくことができました。午後は雨が降ってきて、少し運試しのような状況でしたが、適切なタイミングで適切なタイヤを履くことができたと思います。ですので、全体としてはかなりポジティブな一日になりました。まだ先は長いですが、この先もいい戦いができることを期待しています」と2日以降に期待を寄せた。

■トヨタ勢の巻き返しはあるのか

現在、ドライバーズ・ランキング首位のセバスチャン・オジエは「今朝のペースは良かったのですが、残念ながらSS2でクルマを停めてホイール交換をしなければならず、大幅にタイムを失ってしまいました。ハイスピードなセクションで路面に盛り上がっているところがあって大きな力が加わったのですが、レッキで走行した時は低速だったので見逃していました。問題が起きないようにあえてコーナーのイン側をカットしないように走ったのですが、路面の盛り上がりで非常に大きな衝撃を受けてしまいました。その後は、少しでも順位を挽回しようとプッシュし続けました。順位がひとつ上の選手とのタイム差はかなり大きいので、これ以上挽回することは難しいと思います。それでも、失うものは何もないのでトライを続け、どのような展開になるのか様子を見たいと思います」とトラブルによるタイムロスを憂いた。

前年王者ながらここまで勝ち星のないカッレ・ロバンペラは、「今朝は予想していた以上に難しかったです。滑りやすいグラベルが多くあり、グリップも予想以上に低く、非常にトリッキーなコンディションでした。スタートした時のセットアップは、このようなコンディションではあまり良くなかったので、クルマのバランスに少し苦労しました。そして2本目のステージでは、セブと同じようなことが起きてしまいました。ペースノートに路面の情報は記していたのですが、予想以上に大きなバンプだったようです。午後に関しては、かなり良くなりました。ミッドデイサービスでセットアップを変更した結果、ドライビングを楽しむことができましたし、ペースも上がりました。明日も良いフィーリングで走り続けられることを願っています」と巻き返しを誓った。

クロアチア・ラリーのSS図 提供:WRC/TGR

Advertisement


競技2日目となる22日のデイ2は、デイ1よりも南西のエリアで、4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。そのうち、SS12/16「プラタック」はアドリア海に面したリエカの町の近郊で行われる。また、SS11/15「ラヴナ・ゴラ-スクラド」は、今大会唯一の新しいステージ。8本のSSの合計距離は116.60kmとデイ1よりもやや短いが、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は793.98kmとなる。

■クロアチア・ラリー デイ1の結果

1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 1h16m02.4s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +5.7s
3 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォード PUMA Rally1 HYBRID) +30.0s
4 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +33.4s
5 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m23.7s
6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m52.1s
7 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー (フォード PUMA Rally1 HYBRID) +1m52.9s
8 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2m40.3s
9 ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (シトロエン C3 Rally2)+3m20.0s
10 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シュコダ Fabia RS Rally2)+3m49.9s

◆【実際の映像】2位を走るエバンスのスリリングなオンボード・カメラ

スクロールすると広告の後にコンテンツが続きます

◆ヒョンデのクレイグ・ブリーンが事故死 レース界が哀悼の言葉で埋まる 

◆世界ラリー選手権2023年シーズン特集 トヨタは3年連続3冠獲得なるか、カッレ・ロバンペラの連覇は… 速報・結果一覧

文●SPREAD編集部