■X Gamesが日本のスケートの未来につながる/トニー・ホーク

ほぼ移動中飛行機の中で5月12日の誕生日を過ごしたトニー・ホーク 撮影:小嶋勝美
最終日となった14日の注目の種目の一つが、バートベストトリックに出場したスケートボード界のスーパーレジェンドと言われるトニー・ホークの参戦だ。
X Games開催期間中に55歳の誕生日を迎えたレジェンドは、昨年3月9日にインスタグラムで大腿骨骨折を公表(3月8日に受傷)。
同年11月21日の投稿ではスケートボードに復帰するのが早すぎたため、修復した骨がずれてしまい、再度手術をすることを報告している。
そして今年の3月8日にインスタグラムにて、怪我から1年経ち復帰を報告する投稿。800件を超えるお祝いのコメントが寄せられた。
スケート人生を左右しかねない大怪我から、いかにX Games参戦に至ったのか。5月13日に行われたインタビューでは次のように話している。
「前回東京に来たのは2021年の東京オリンピックの時でした。本当は去年のX Games Chibaにも参加予定だったけど、残念ながら怪我のために参加することが出来なかったんです」。
それから長いリハビリを経て、いよいよ大会に出場できる状況になったとのこと。

長いリハビリを経て大会に出場できる状況になったというトニー・ホーク 撮影:小嶋勝美
「大腿骨を骨折して8か月間のリハビリの後、骨がくっつかなかったので5か月前に2回目の手術をしています。この大会に出ることを目標に、ここまでリハビリと練習に励んできました。実際のところまだ100パーセントの状態とは言えないかもしれないが、今回に向けて新しいトリックも準備してきました」。
「怪我の復帰後、初めての大会となるX Games Chibaに招待されたことを非常に光栄に思っています。80年代から日本のスケートを見てきました。当時日本でも人気はあったがまだプロのレベルではなかった、しかし今は状況が変わっている。X Gamesが日本のスケーターたちに見てもらえることが素晴らしいと思うし、日本のスケートの未来につながると考えています」と話した。
■スケートこそが人生のパッション

マドンナからのスイッチクルックドグラインド/トニー・ホーク 撮影:小嶋勝美
インタビュー取材も終了に差し掛かった頃、どうしても聞きたかったことを聞いてみた。
「大きな怪我を経て、55歳の誕生日を迎えた今もスケートのモチベーションを保つ秘訣は?」
この質問にこう答えてくれた。
「スケートボードこそが人生のパッション。私は10歳からスケートをやっていますが、歳を重ねるそれぞれのタイミングで、体力と身体能力に合わせてスケートを続けてきました」。
バートベストトリックではこの言葉通り、複雑なトリックを見事に成功させファンを喜ばせてくれた。怪我からの復帰、そして恐怖も年齢をも乗り越えて見せた“自分越え”。
これこそがまさにスケートボードが持つ魅力であり、スケートボードのカッコよさを見せてくれた素晴らしいトニー・ホークのランだった。
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■著者プロフィール
小嶋勝美●スケートボードライター
放送作家で元芸人のスケーター。スケートボード歴は一応25年弱。










